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「現役最年長」が入れ替わる!? 43歳の投手がアストロズと契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェルナンド・ロドニー(左)とビクター・ロブレス Jul 4, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンの試合に出場している、「現役最年長」のメジャーリーガーは、40歳のアルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。ミネソタ・ツインズの2人、リッチ・ヒルネルソン・クルーズも、プーホルスと同じ1980年生まれの40歳だが、3人のなかで、プーホルスが最も早く生まれた。それぞれの誕生月は、1月と3月と7月だ。

 けれども、「現役最年長」は、プーホルスではなくなる可能性が出てきた。

 7月31日、フェルナンド・ロドニーが、ヒューストン・アストロズとマイナーリーグ契約を交わした。

 ロドニーのメジャーデビューは、プーホルスより1年遅い2002年ながら、年齢はこちらが上。1977年3月に、ドミニカ共和国の首都、サント・ドミンゴで産声を上げた。プーホルスの出生地も、サント・ドミンゴだ。クルーズもドミニカンだが、出生地は異なる。

 アストロズでは、投手の故障者が相次ぎ、シーズン最初の5試合に7人の投手がメジャーデビューしている。イライアス・スポーツ・ビューローによれば、それまで(1900年以降)の最多は5人、1962年のシカゴ・カブスと1998年のフロリダ・マーリンズだったという。

 昨シーズン、ロドニーは2チームで計55試合に登板し、防御率5.66に終わった(ポストシーズンの6登板は防御率3.86)。ワシントン・ナショナルズからFAになり、今シーズンは独立リーグのシュガーランド・スキーターズで投げていた。今回の契約に際し、アストロズはスキーターズからロドニーを「買い取った」ようだ。

 年齢と昨シーズンの防御率はどちらも高いものの、ロドニーの球速はそれほど落ちていない。スタットキャストによると、昨シーズンの速球の平均球速は、4シームが平均94.4マイル、2シームは平均93.6マイル。また、チェンジアップの空振り率は40%を超えている。

 シーズンが打ち切りにならなければ、8月中に昇格し、メジャーリーグ18年目のスタートを切るのではないだろうか。

 昨シーズンも、ロドニーは途中から「現役最年長」となった。オークランド・アスレティックスの投手として、日本開幕シリーズで投げた当時は上から2番目だったが、イチローがこのシリーズを最後に引退したことで「現役最年長」に繰り上がった。

 なお、ロドニーがアストロズと契約するのは、今回が初めてだ。メジャーリーグで登板すれば、12チーム目となる。14チームのエドウィン・ジャクソンと13チームのオクタビオ・ドーテルに次ぎ、12チームの3人、マイク・モーガンロン・ビローンマット・ステアーズと並ぶ。そして、あと3セーブを挙げると通算330セーブとなり、こちらはドミニカン最多のフランシスコ・コーデロを追い抜く。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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