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史上初の「ユニバーサルDH」は誰!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン/捕手はカート・スズキ Jul 23, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月23日、メジャーリーグが開幕を迎え、2試合が行われた。どちらもナ・リーグのホーム・ゲーム――インターリーグとナ・リーグ対ナ・リーグ――なので、通常であればDHはない。けれども、今シーズンは「ユニバーサルDH」だ。全試合でDHが採用される。

 それぞれのスターティング・ラインナップにDHとして名を連ねたのは、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)、ハウイ・ケンドリック(ワシントン・ナショナルズ)、ハンター・ペンス(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、AJ・ポロック(ロサンゼルス・ドジャース)の4人だ。

 彼らのうち、最初に打席に立ったのはスタントンだった。スタントンはア・リーグのヤンキースに在籍していて、昨シーズンまでのDH出場も、通算100試合を超えている。この点からすると目新しさはないが、「ナ・リーグのホーム・ゲームでDHとして出場した史上初の選手」ということになる。

 試合の開始時刻が大きく違っていたため、ペンスとポロックがそうなるチャンスは、まずなかった。可能性があったのは、ヤンキース対ナショナルズが雨で流れるか、試合開始が大幅に遅れた場合くらいだ。スタントンとケンドリックの打順は、どちらも4番。マックス・シャーザー(ナショナルズ)が1回表を打者3人で終わらせていれば、ケンドリックが史上初となっていたかもしれない。1回裏の打席で、ケンドリックは三振を喫した。【追記:7/25】ナ・リーグの2チームが対戦した試合に限れば、ペンスが最初だ。

 ちなみに、「DHとして出場した史上初の選手」もヤンキースの選手だ。ア・リーグが1973年にDHを採用し、開幕戦でロン・ブルームバーグが他のDHに先駆けて打席に立った。そして、四球を選び、押し出しで打点を挙げた。

 また、スタントンは最初の打席でホームランを打った。これは、DH以外も含め、今シーズンのメジャーリーグ第1号となった。なお、DHとして出場した他の3人に長打はなく、ヒットもポロックの1本きりだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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