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現在はNPBにいる選手の「MLBドラフト順位」。1巡目は4人。最下位の全体844位は本塁打王を獲得

宇根夏樹ベースボール・ライター
アラン・ブセニッツ(左)とジェイソン・カストロ Aug 19, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 メジャーリーグ(MLB)のドラフトで指名されたことがあり、現在は日本プロ野球(NPB)の球団に在籍している選手は、32人を数える。

 下に掲載したのは、そのリストだ。彼らのうち、2018年に全体8位でアトランタ・ブレーブスに指名されたカーター・スチュワートJr.(福岡ソフトバンクホークス)だけは、契約を交わしていない。その経緯については、1年前に「福岡ソフトバンクに入団するスチュワートの「計画」。ドラフト全体8位→進学→日本球界ときて、そこから…」で書いた。何度かドラフトにかかった選手もいるが、契約に至ったドラフト(年、ラウンド、全体順位、当時のポジション、指名球団)を記載。ドラフトの年に関係なく、全体順位が上の選手から並べた。

筆者作成
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 スチュワートと対照的に、ドラフトから最も年月が経っているのは、2001年9巡目・全体268位のデニス・サファテ(福岡ソフトバンク)だ。2003年1巡目・全体37位のアダム・ジョーンズ(オリックス・バファローズ)が、それに次ぐ。人数が多いのは、2010~12年のドラフトで指名された選手。それぞれ、5人、6人、5人だ。

 現在はチームメイトのドラフト同期も、2組いる。埼玉西武ライオンズのショーン・ノリンザック・ニールは、2010年の6巡目・全体186位と17巡目・全体527位。東北楽天ゴールデンイーグルスのジャバリ・ブラッシュステフェン・ロメロは、2010年の8巡目・全体252位と12巡目・全体372位だ。2組とも、NPBの前にチームメイトだったこともある。ノリンとニールは、2015年にオークランド・アスレティックス傘下のAAAでローテーションに揃い踏みした。どちらもシアトル・マリナーズに入団したブラッシュとロメロは、傘下のA(2011年)とA+(2013年)、AAA(2015年)でともにプレーし、2015年4月21日の試合では3回裏に揃ってホームランを打った。

 ドラフト1巡目は、スチュワートを含めて4人。厳密に言うと、全体37位(2003年)のジョーンズと全体40位(2006年)のクリス・ジョンソン(広島東洋カープ)の順位は、1巡目と2巡目の間に位置する。

 一方、全体750位以降も同じく4人。彼らの順位は、その年に指名された全選手の後半だ。現在は阪神タイガースにいる2人、2008年25巡目・全体757位のジェリー・サンズと2009年25巡目・全体770位のジャスティン・ボーアは、どちらもほぼ真ん中。2013年25巡目・全体757位のアラン・ブセニッツ(東北楽天)は、彼の前に756人、彼の後に459人が指名された。2007年27巡目・全体844位のブランドン・レアード(千葉ロッテマリーンズ)は、843人と609人だ。なお、2012年より、ドラフトのラウンドはそれまでの50巡から40巡となった(今年は5巡のみ)。

 レアードは、NPB1年前から5年続けて25本以上のホームラン――2018年以外は30本以上――を打ち、2016年(39本)はタイトルを獲得した。昨シーズンがNPB1年目だったブセニッツは、54登板で51.0イニングを投げ、28ホールドと防御率1.94を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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