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ベストナインの内野を同球団の4人が独占は何度? 昨年のパは3人が埼玉西武、残る1人もその前年までは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
辻発彦(左)と川崎宗則(崎の右上は大ではなく立) Mar 5, 2006(写真:ロイター/アフロ)

 ベストナインの内野4ポジションすべてに、同じ球団の選手が揃うことは、滅多にない。そうなったのは4度だけだ。最初の2度は、1951年と1952年のパ・リーグ。どちらも、南海ホークスの内野手4人がベストナインに選ばれた。その後、1968年のセ・リーグは読売ジャイアンツ、1992年のパ・リーグは西武ライオンズの4人が揃った。

筆者作成
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 当時の南海の布陣は、「百万ドルの内野陣」と称された。これは、1910年代の前半にフィラデルフィア・アスレティックスで形成された「10万ドルの内野」にちなんでいるのではないだろうか。あるいは、1930年代の後半に二グロリーグのニューアーク・イーグルスが擁した「ミリオン・ダラー・インフィールド」を訳したのかもしれない。A'sの4人は、一塁がスタッフィ・マッキニス、二塁がエディ・コリンズ、遊撃がジャック・バリー、三塁がホームラン・ベイカー(フランク・ベイカー)。イーグルスの4人は、一塁から反時計回りに、ミュール・サットルスディッキー・セイウィリー・ウェルズレイ・ダンドリッジだった。

 一方、内野3ポジションのベストナインが同じ球団というケースは、22度を数える。パ・リーグもセ・リーグも11度ずつだ。

筆者作成
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 2008年と2019年のパ・リーグは、かつてのチームメイトが埼玉西武の内野独占を阻む形となった。しかも、2008年の一塁手と2019年の二塁手、オリックス・バファローズのアレックス・カブレラと東北楽天ゴールデンイーグルスの浅村栄斗は、どちらもその直前のシーズンに、西武/埼玉西武の選手としてベストナインに選ばれている。ちなみに、2008年の一塁手2位は埼玉西武のクレイグ・ブラゼル、2019年の二塁手2位は埼玉西武の外崎修汰だった。

 なお、1992年の西武は内野にとどまらず、ベストナインの10人中8人を占めた。内野手4人の他には、石井丈裕(投手)、伊東勤(捕手)、秋山幸二(外野)、オレステス・デストラーデ(DH)が受賞した。残る2人の外野手は、福岡ダイエーホークスの佐々木誠とオリックス・ブルーウェーブの高橋智。同じ球団から8人選出は、史上最も多い。

【追記:5/2】外野手の「独占」についても、こちらで書いた。

ベストナインの外野を同じ球団の3人が独占は…。セは過去4年とも、丸と鈴木と横浜DeNAの外野手

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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