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【4月18日のMLB】「人種の壁」を破る前に「世紀の握手」があった/4ディケイドで本塁打は史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
テッド・ウィリアムズ June 11, 1999(写真:ロイター/アフロ)

◆1946年4月18日

この翌年にメジャーデビューして「人種の壁」を破るジャッキー・ロビンソンが、ブルックリン・ドジャース傘下のAAA、モントリオール・ロイヤルズで初のホームランを打つ。ロビンソンがベースを回ってホームへ戻ってきた時、次打者のジョージ・シューバは右手を差し出し、ロビンソンと握手を交わした。人種を超えたこの行為は「世紀の握手」と称されている。シューバのメジャーデビューはロビンソンより遅く、1948年7月2日。外野手や左の代打として、通算355試合に出場した。

◆1960年4月18日

ボストン・レッドソックスのテッド・ウィリアムズが、開幕戦でホームランを打つ。4つのディケイド(1930年代、1940年代、1950年代、1960年代)でホームランを記録した史上初の選手となった。その後、ウィリー・マッコビーリッキー・ヘンダーソンオマー・ビスケルも、そこに加わる。ウィリアムズの初本塁打は、メジャーリーグ1年目の1939年4月23日。他の3人も、ディケイドの最終年(1959年、1979年、1989年)にメジャーデビューし、その年にホームランを打った。彼らに続く5人目となるチャンスは、2009年や2019年にメジャーデビュー&ホームランの選手にありそうだ。それとは反対に、ディケイドの1年目、2010年や2020年にデビューした選手による達成は困難を極める。

◆1970年4月18日

ニューヨーク・メッツのノーラン・ライアンが、先頭打者にヒットを打たれた後、被安打ゼロで完封を記録する。ライアンのノーヒッターは史上最多の7度を数えるが、この時点では皆無だった。最初は1973年5月15日、最後は1991年5月1日。達成5度以上の投手は、他に誰もいない。

◆2012年4月18日

オークランド・アスレティックスのバートロ・コローンが、5回裏の途中から8回裏の途中まで、38球続けてストライクを投げる(ボール球以外の、見逃し、空振り、ファウル、インプレー)。データが残っている1988年以降では最長のストリーク。ちなみに、当時のコローンは38歳だった。この日は、108球82球(75.9%)がストライク。8イニングともスコアボードにゼロを並べ、白星を挙げた。

 4月17日のMLBは、こちら。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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