マイコラスが出遅れるローテーションの穴を埋めるのは、韓国からやってきたベテラン・ルーキー!?
昨シーズン、セントルイス・カーディナルスは91勝を挙げ、4年ぶりに地区優勝を果たした。原動力となったのは、投手陣だ。764得点はリーグ10位ながら、662失点は2番目に少なかった。4投手が30先発以上は、ニューヨーク・メッツとシカゴ・カブスもそうだが(ア・リーグは皆無)、揃って防御率4.20未満はカーディナルス以外になかった。
その4人、ジャック・フラハティ、ダコタ・ハドソン、マイルズ・マイコラス、アダム・ウェインライトは、今シーズンもカーディナルスにいる。けれども、マイコラスは腕を痛め、少なくとも開幕から1ヵ月前後、欠場する見込みだ。
マイコラスの出遅れが決まるまで、ローテーションの残る1枠は、カルロス・マルティネスとグァンヒョン・キムが争うはずだった。右投手と左投手の違いはあるが、2人ともスライダーをベスト・ピッチとする。
2018年の夏から、マルティネスがリリーフに回ったのは、本人の故障とチーム事情によるものだ。2015~17年は3年続けて規定投球回をクリアし、防御率はいずれも3点台。前年に続いて開幕投手を務めた2018年も、18先発で防御率3.41を記録した。
一方、キムはポスティング・システムを利用し、韓国のSKワイバーンズから移籍した。昨シーズンは、190.1イニングを投げて防御率2.51。どちらもリーグ3位だった。カーディナルスとの契約は2年800万ドル。ちなみに、斗山ベアーズでリーグ最多の194.2イニングを投げ、2位の防御率2.50を記録したジョシュ・リンドブルームは、3年912万5000ドルでミルウォーキー・ブルワーズに入団した。
キムがポスティング・システムを利用したのは、今回が2度目だ。最初は2014年のオフ。サンディエゴ・パドレスが200万ドルで入札し、交渉権を得たが、契約はまとまらなかった。当時26歳だったキムは、現在31歳となっている。
順当にいけば、開幕時点のローテーションは、フラハティ、ハドソン、ウェインライト、マルティネス、キムの5人で決まりだろう。彼らが揃って好投する可能性もあり、そうなると、マイコラスが復帰する際、誰をローテーションから外すのかという「問題」が生じかねない。
ただ、開幕までは1ヵ月以上ある。先発5番手の候補に挙がっていた投手は、マルティネスとキムだけではない。そのなかでも、ダークホースとして見逃せないのはアレックス・レイエスだ。故障に泣かされ続けてきたものの、2017年の開幕前には、各メディアのプロスペクト・ランキングで軒並み全体10位以内に挙げられていた。それから3年が経つが、レイエスはまだ25歳だ。