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「ジーターの後継者」がヤンキースを退団!? クオリファイング・オファーの申し出はなし

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディーディー・グレゴリアス Aug 16, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 デレク・ジーターが選手生活を終えた直後、ニューヨーク・ヤンキースは新たな遊撃手を手に入れた。デトロイト・タイガースを含む三角トレードにより、アリゾナ・ダイヤモンドバックスからディーディー・グレゴリアスを獲得した。2014年のオフのことだ。

 以降、グレゴリアスは、ヤンキースの正遊撃手としてプレーしてきた。2016~18年は3年連続20本塁打以上。昨年10月にトミー・ジョン手術を受け、今シーズンは2ヵ月出遅れたが、16本のホームランを打った。年齢は、来年2月で30歳だ。

 ただ、今オフ、FAとなったグレゴリアスに対し、ヤンキースはクオリファイング・オファー(1年1780万ドル)を申し出なかった。再契約もあり得るが、退団の可能性は高そうだ。

 ヤンキースには、メジャーリーグ2年目を終えたばかりのグレイバー・トーレスがいる。昨シーズンは主に二塁を守ったが、もともとのポジションは遊撃だ。今シーズンは、遊撃手として73試合、二塁手として64試合に先発出場した(他にDHが5試合)。しかも、ホームランを24本→38本、二塁打を16本→26本と大幅に増やし、2年目のジンクスをまったく感じさせなかった。

 トーレスが二塁から遊撃へ移っても、問題は生じない。今シーズン、遊撃以外の内野3ポジションを守ったDJ・ラメイヒューは、昨シーズンまでコロラド・ロッキーズの正二塁手だった。ゴールドグラブも3度受賞している。

 あるいは、ヤンキースが新たな遊撃手を獲得することも考えられる。例えば、フランシスコ・リンドーア(クリーブランド・インディアンズ)なら、攻守ともグレゴリアスより上だ。交換条件はともかく、ヤンキースにとっては申し分のない補強となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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