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あの球団の監督はしたいけど、他の球団ではやりたくない!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
オマー・ミナヤ(左)とカルロス・ベルトラン Jan 11, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 2年前のワールドシリーズ優勝とともに、カルロス・ベルトランは、選手生活に終止符を打った。昨年12月からは、ニューヨーク・ヤンキースでスペシャル・アドバイザーを務めている。

 来シーズン、ベルトランは監督として、再びユニフォームに袖を通すかもしれない。新監督を探しているニューヨーク・メッツとは、すでに面談を行った。

 けれども、どの球団の監督でもOKということではないらしい。シカゴ・カブスとサンディエゴ・パドレスからも声がかかったが、ベルトランは面談を断ったという。ボストン・グローブのピート・エイブラハムやニューズデイのアンソニー・リーバーらが、ベルトラン自身の発言として報じている。

 カブスとパドレスは、ベルトランがプレーした7球団に含まれていない。一方、メッツでは839試合に出場した。これは、どの球団よりも多い。2005年1月に7年1億1900万ドルでメッツに入団し、契約最終年の夏にサンフランシスコ・ジャイアンツへトレードされるまで在籍した。9度のオールスター・ゲーム選出中、過半数の5度はメッツ時代。3度のゴールドグラブと2度のシルバースラッガーは、すべてメッツで手にした。

 メッツとベルトランは、相思相愛のようだ。ベルトランの入団時にGMだったオマー・ミナヤは、その後、メッツを離れたものの、2017年のオフに戻ってきて、GMスペシャル・アシスタントを務めている。

 もっとも、メッツの監督候補はベルトランだけではない。ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンらによると、ベルトランの他にも、デレク・シェルトンジョー・ジラルディマイク・ベルの名前が挙がっているという。この3人はそれぞれ、ミネソタ・ツインズのベンチ・コーチ、ヤンキースの前監督、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの選手育成部門の責任者だ。シェルトンもベルも、マイナーリーグの球団で采配を振ったことがあるが、ベルトランは監督だけでなくコーチの経験も皆無だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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