ロースターにいる12人の投手は、全員右腕。新たなシリーズの前に左投手を外した狙いは…
リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに臨み、ニューヨーク・ヤンキースとヒューストン・アストロズは、それぞれ2人ずつ、ロースターのメンバーを入れ替えた。
ヤンキースのロースターから外れた2人、ルーク・ボイトとタイラー・ウェイドは、ディビジョン・シリーズで一度も出場しなかった。アストロズのマイルス・ストロウもそうだ。ウェイド・マイリーは、第3戦にリリーフとして2.2イニングを投げ、本塁打と二塁打を含む4安打を打たれた。
ディビジョン・シリーズにおいて、アストロズのロースターに、左投手はマイリーしかいなかった。それが、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでは皆無となった。新たに加わったブラッド・ピーコックとブライアン・アブレイユは、どちらも右投手だ。
右投手12人、左投手0人とした理由は、相手の打線にある。ヤンキースのロースターに名を連ねる野手は、12人中9人が右打者だ。左打者はディー・ディー・グレゴリアスとブレット・ガードナーだけ。アーロン・ヒックスはスイッチ・ヒッターなので、全体の79.2%(9.5/12)が右打ちとなる。ちなみに、アストロズの野手陣は、69.2%(9/13)が右打ち。ヤンキースの投手陣は、46.2%(6/13)が左投手だ。
レギュラーシーズン中、マイリーはローテーションの一員として、33先発で防御率3.98を記録した。ディビジョン・シリーズの5試合は、ジャスティン・バーランダー、ゲリット・コール、ザック・グレインキーの3人で回したとはいえ、4人目の先発投手となり得るマイリーを外したのは、思いきった策だ。おそらく、第4戦はホゼ・ウッキーディが先発マウンドに立つか、最初から最後までリリーフ投手がつないでいく「ブルペン・デー」となるだろう。ウッキーディは、もともと先発投手だ。9月の4登板は、救援と先発を交互に務めた。
リーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第1戦は、ヤンキースが7対0でアストロズを下した。ヤンキースの長打4本(本塁打3本と二塁打1本)と7打点は、いずれも右打者によるもの。アストロズでは、このシリーズからロースター入りしたアブレイユも打たれた。ただ、シリーズはまだ始まったばかりだ。