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埼玉西武の3人が迫る「100打点トリオ」は「30本塁打トリオ」より稀少。結成まで、あと1打点

宇根夏樹ベースボール・ライター
ランディ・バース NOV 05,2005(写真:築田純/アフロスポーツ/bj-league)

 埼玉西武ライオンズでは、中村剛也山川穂高森友哉が「100打点トリオ」の結成を目前としている。中村と山川の2人はすでに100打点以上。森は9月14日に先制ホームランで2打点を挙げ、100打点まであと1とした。

「30本塁打トリオ」と比べると、打点の特性からして当然ながら、「100打点トリオ」は極めて少ない。前者は、カルテットの7組を含め、今シーズンの東京ヤクルトスワローズの3人、山田哲人村上宗隆ウラディミール・バレンティンが23組目。一方、後者は、こちらもカルテットが1組いるが、それを含めて4組しかいない。埼玉西武の3人が加わっても――まず間違いなくそうなるだろうが――5組だ。「100打点トリオ」は「30本塁打トリオ」の4分の1に満たない。100打点以上の2人と95~99打点の選手がチームに揃う「100打点デュオ+95打点以上100打点未満」ですら、現時点の埼玉西武が6組目だ。

筆者作成
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 1950年に松竹ロビンスで「100打点トリオ」を結成した3人、小鶴誠岩本義行大岡虎雄は、同時に「30本塁打トリオ」でもあった。1985年の阪神タイガースでそれぞれ100打点以上を挙げた、ランディ・バース掛布雅之岡田彰布の3人は、84打点の真弓明信とともに「30本塁打カルテット」を形成した。

 一方、2003年に福岡ダイエーホークスで結成された「100打点カルテット」のうち、30本塁打以上は松中信彦(30本)と城島健司(34本)の2人。井口資仁は27本、ペドロ・バルデスは26本だった。2010年の阪神で30本塁打以上は、47本のクレイグ・ブラゼルだけ。ブラゼルとともに「100打点トリオ」を形成した新井貴浩鳥谷敬はともに19本で、30本どころか20本にも届かなかった。また、城島健司は28本のホームランを打ったが、打点は鳥谷よりも13少なく、17本のマット・マートンと同じだった。

 なお、今シーズン、埼玉西武の3人は、リーグの打点ランキングにおいて、1位、2位、3位に位置している。これまで、同じチームの選手が打点のトップ3を独占したのは、1979年の阪急ブレーブスの3人、加藤英司島谷金二ボビー・マルカーノしかいない。さらに、埼玉西武では、外崎修汰が88打点を挙げている。100打点に到達するには、あと11試合で12打点が必要なので難しそうだが、リーグ順位は5位タイ。中村、山川、森、外崎のトップ4独占もあり得る。

「30本塁打トリオ」のリストは、こちらの記事に掲載した。

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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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