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「30本塁打トリオ」結成に続き、球団史上初の「3人合わせて100本塁打」も達成目前

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウラディミール・バレンティン/2017年のWBC MAR 12, 2017(写真:田村翔/アフロスポーツ)

 東京ヤクルトスワローズの3人、山田哲人村上宗隆ウラディミール・バレンティンは、球団史上2組目の「30本塁打トリオ」を結成した。さらに、彼らは「3人合わせて100本塁打」も目前としている。現時点では、山田と村上が33本、バレンティンは32本。合計は98本だ。

 こちらは、達成すると球団史上初となる。1992年の「30本塁打トリオ」は、ジャック・ハウエルが38本、古田敦也池山隆寛が30本。合計は98本だった。もちろん、「30本塁打トリオ」でなくても、「3人合わせて100本塁打」はあり得る。例えば、2004年(岩村明憲=44本、アレックス・ラミレス=31本、古田敦也=24本)の3人の場合、誰があと1本多くても合計100本だったが、その1本だけでは「30本塁打トリオ」にならない。ちなみに、バレンティンが60本のホームランを打った2013年は、2位のラスティングス・ミレッジが16本、3位の畠山和洋は12本なので、合計は88本だ。

筆者作成
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 ただ、球団を問わず、昨シーズンまでに結成された「30本塁打トリオ」あるいは「30本塁打カルテット」の上位3人のうち、合計が100本に届かなかったのは、1992年のヤクルトと、1989年の西武ライオンズ(清原和博=35本、オレステス・デストラーデ=32本、秋山幸二=31本、計98本)、2000年の日本ハムファイターズ(ナイジェル・ウィルソン=37本、小笠原道大=31本、シャーマン・オバンドー=30本、計98本)、2007年と2009年の読売ジャイアンツ(高橋由伸=35本、阿部慎之助=33本、小笠原道大=31本、計99本/阿部=32本、ラミレス=31本、小笠原=31本、計94本)の各3人。22組中5組だ。全体の4分の3以上は、3人で計100本塁打以上を記録している。2015年の福岡ソフトバンクホークスの3人は、松田宣浩が35本、柳田悠岐が34本、李大浩は31本。合計はちょうど100本だった。歴代の「30本塁打カルテット」と「30本塁打トリオ」のリストは、「「30本塁打トリオ」がいて「最下位」は史上初。ただし、約半数のチームはリーグ優勝を逃している」に掲載した。

 なお、「30本塁打トリオ」でも「30本塁打カルテット」でもないが、2001年の大阪近鉄バファローズでは、タフィー・ローズが55本、中村紀洋が46本を打ち、2人で合計100本塁打を超えた。

 今シーズン、「30本塁打トリオ」が「3人合わせて100本塁打」を達成するのは、東京ヤクルトだけではないかもしれない。横浜DeNAベイスターズでは、ネフタリ・ソトが40本、筒香嘉智ホセ・ロペスが28本を記録していて、合計は96本。彼らが「30本塁打トリオ」を結成すれば、その前か同時に「3人合わせて100本塁打」も達成となる。他に3人で90本以上は、埼玉西武(94本)と読売(90本)。両球団を比べると、3人の合計は埼玉西武が上回るものの、「30本塁打トリオ」は読売の方が近い。それぞれの3位は、24本の外崎修汰と26本の丸佳浩だ。また、福岡ソフトバンクの3人は合計86本だが、いずれも25本以上を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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