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シーズン150三振以上は、村上宗隆だけじゃない。すでに到達した村上に続き、浅村栄斗もあと5三振

宇根夏樹ベースボール・ライター
昨シーズン、150三振以上は皆無。140三振以上もいなかった(写真:アフロ)

 村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)は、164三振を喫している。シーズン150三振以上は、村上が史上20人目。そのうち、2度以上の選手が5人いて、延べにすると29人目だ。ちなみに、最多はラルフ・ブライアントの5度。中村剛也(埼玉西武ライオンズ)の3度が、次いで多い。

 今シーズンは、村上に続く21人目(延べ30人目)の150三振も現れそうだ。浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)が、あと5三振に迫っている。

 昨シーズンまで、浅村のシーズン最多は、2015年の136三振だった。今シーズンの三振は、すでにそれを上回る。26.0%の三振率も、同じく最高だった2015年の21.7%を上回る。

 もっとも、浅村は80四球と四球率14.4%を記録している。出場30試合の2010年を除く、2011~18年の8シーズン中、最多四球と四球率ベストは、2015年の69と11.0%だ。今シーズンは、四球も三振と同じように、数だけでなく率においても、キャリアハイを塗り替えるだろう。打率が.263と高くないため、出塁率は2013年の.388と昨シーズンの.383に及ばないが、それでも.370。現在、リーグ10位だ。

 ホームランも28本打っていて、昨シーズンに続き、キャリア2度目の30本に近づいている。あと4本で、昨シーズンに並ぶ。

 一方、打点は76。タイトルを獲得した昨シーズンより、50打点以上も少ない。昨シーズンと今シーズンの得点圏打率は、1割以上も違う。ただ、打点の少なさ(多さ)は、本人以外にいくつもの要因が絡む。

 例えば、昨シーズンも今シーズンも、浅村は3番を打っている。昨シーズン、埼玉西武の1番と2番は、主に秋山翔吾源田壮亮だった。今シーズンの東北楽天は、1番が茂木栄五郎で、2番はやや流動的だ。1番を打った2人の出塁率(シーズン全体)を比べると――それだけが浅村の打点を左右する要因ではないが――昨シーズンの秋山は.403、今シーズンの茂木は.371。茂木の出塁率も低くないものの、昨シーズンの秋山とはかなりの差がある。

 なお、村上の三振については、こちらで書いた。

村上宗隆の三振は、現時点でシーズン歴代10位。史上2人目の180三振も射程圏

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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