オーナーの球団移籍!? 10億ドルで球団を買い、新オーナーとなる人物は…
カンザスシティ・ロイヤルズのオーナーが、ウォルマートの元社長、デビッド・グラスから代わる。ガス事業などで財を成したカンザスシティの実業家、ジョン・シャーマンを筆頭とするグループに、球団を売却する。8月27日にジ・アスレティックスのケン・ローゼンタールが報じ、その3日後にUSAトゥディのボブ・ナイテンゲールが、10億ドルで合意に達したとツイート。ロイヤルズは、グラスの声明を発表した。ちなみに、グラスが19年前にロイヤルズを購入した時の金額は、9600万ドルだった。今回の約10分の1だ。
11月に予定されているオーナー会議で承認されれば、球団売却は正式に決まる。却下されることはないだろうが、シャーマンのオーナー就任にあたっては、一つ条件がつく。
クリーブランド・インディアンズのメディア・ガイドには、フロント・オフィスのメンバーとして、オーナーのポール・ドーランの次に、シャーマンの名前が載っている。肩書きは、バイス・チェアマン(副会長)。シャーマンは、インディアンズのマイノリティ・オーナーだ。カンザスシティ・スターのサム・メリンジャーによると、オーナー権の約30%を所有しているらしい。ロイヤルズのオーナーになるには、それを手放し、インディアンズを去る必要がある。
インディアンズのオーナーから、ロイヤルズのオーナーへ。
似たような「球団移籍」をした人物は、過去にもいる。例えば、ジョン・ヘンリーは、フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)の筆頭オーナーから、ボストン・レッドソックスの筆頭オーナーとなった。レッドソックスの購入は2001年12月、マーリンズの売却が決まったのは翌年2月だ。ヘンリーはその前に、ニューヨーク・ヤンキースのオーナー権を1%所有していたこともあった。
また、ヤンキースの先代オーナー、ジョージ・スタインブレナーは、1973年にヤンキースを購入する前に、インディアンズを買おうとして失敗している。シャーマンにとってロイヤルズがそうであるように、インディアンズは、オハイオ州出身のスタインブレナーにとっては地元の球団だった。