メジャーリーグ1年目のホームラン・ダービー優勝は史上2人目。メッツの選手としても2人目
今年のホームラン・ダービーは、ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)が優勝した。アロンゾは、前半戦に30本のホームランを打っている。同じく30本のコディ・ベリンジャー(ロサンゼルス・ドジャース)はダービーに出場せず、31本のクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は直前に出場を取りやめたので(オールスター・ゲームには出場予定)、アロンゾのシーズン本塁打は、出場した8人のなかで最も多かった。この点からすれば、優勝は意外ではない。
ただ、決勝で対戦したブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)と同じく、アロンゾもメジャーリーグ1年目のルーキーだ。開幕戦でデビューし、4試合目に最初のホームランを打った。ホームラン・ダービーでは、舞台となった球場をホームとするカルロス・サンタナ(クリーブランド・インディアンズ)を最初に下し、最後はゲレーロの「親子優勝」を阻んだ(ベリンジャーの不参加とゲレーロの親子優勝については「ホームラン・ダービー出場者6人が決まり、残るは2枠。大谷翔平は出る? ゲレーロJr.は親子優勝も」で書いた)。
ルーキーがホームラン・ダービーを制するのは、1986年のウォーリー・ジョイナーと2017年のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)に続く3人目だ。もっとも、ジャッジは前年8月にデビューしていて、優勝したのは、ルーキーながらメジャーリーグ2年目だった。アロンゾは、メジャーリーグ1年目の選手としては、ジョイナーに次ぐ2人目だ。
また、ジョイナーが出場した当時は、フォーマットが違った。1986年は5アウト(ホームラン以外)になるまでを「1イニング」として、6人が2イニングずつ打席に立ち、合計の本数で競った。ジョイナーは、ダリル・ストロベリーと同数の4本を打った。
アロンゾの前に、ホームラン・ダービーを制したメッツの選手は、この年のストロベリーしかいない。こちらでも、アロンゾは史上2人目だ。現在のメッツには、アロンゾの他にダービー優勝者が3人いるが、ロビンソン・カノー(2011年)、ヨエニス・セスペデス(2013、14年)、トッド・フレイジャー(2015年)のいずれも、優勝した時はメッツの選手ではなかった。今シーズンのホームランは、それぞれ、4本、0本(出場なし)、11本。合計してもアロンゾの半数にしかならない。
なお、ジョイナーは1986年の前半戦に20本のホームランを打ったが、後半戦は2本にとどまり、新人王の投票ではホゼ・カンセコ(33本)に次ぐ2位に終わった。本塁打王は、40本のジェシー・バーフィールドが獲得した。一方、ストロベリーは前半戦に13本、後半戦は14本。計27本はナ・リーグ5位タイで、1位のマイク・シュミットより10本少なかった。