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パワーはどこへ消えた? 昨シーズンは35本塁打、今シーズンはまだ0本

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ムスタカス(左)とヘスス・アギラー Apr 13, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、ヘスス・アギラー(ミルウォーキー・ブルワーズ)は35本のホームランを打った。この本数は、マックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)と並び、ナ・リーグで5番目に多かった。ところが、今シーズンは、いまだに1本目が出ていない。前年に30本塁打以上の27人中、ホームランを打っていない選手は3人いるが、ジャスティン・アップトン(ロサンゼルス・エンジェルス)は開幕から欠場していて、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)もシーズン最初の3試合しか出場していない。2人と違い、アギラーはすでに21試合に出場している。

 パワーが消えただけではない。アギラーの打率は.134(67打数9安打)。昨シーズンと比べ、140ポイントも低い。

 スタットキャストのデータによると、投手がアギラーに投げる各球種の割合は、昨シーズンと今シーズンで、それほど変わってはいない。外角低目が多い点も同じだ。こういったことからすると、致命的な弱点を見つけられたというよりは、アギラー自身が不振に陥っていると考えられる。過去2年とも42.6%だったハード・ヒット率(95マイル以上の打球の割合)は、28.0%に落ち込んでいる。

 昨シーズンの開幕当初、アギラーはレギュラーではなかった。左の先発投手と対戦する試合で、左打者のエリック・テームズに代わって起用されていた。4月25日にテームズが故障者リストに入り、常時出場の機会を得たアギラーは、そこからパワーを爆発させた。それまでは、打率こそ.429(35打数15安打)と高かったものの、ホームランは1本しかなかった。6月に復帰したテームズは、一塁の座を取り戻せず、ライトやレフトも守った。

 このままアギラーの不振が続けば、昨シーズンとは逆のことが起こり得る。テームズもパワーはあり、韓国からメジャーリーグへ戻った2017年は、31本のホームランを打った。今シーズンのホームランは4本。サンプル数は少ないが、10打数に1本のハイペースだ。ハード・ヒット率も57.1%と高く、2017年の38.9%と2018年の43.3%を大きく上回る。

 ちなみに、2017年に30本塁打以上の41人中、2018年に10本塁打未満は5人。いずれも、出場は100試合に満たなかった。また、100試合以上に出場した30人のなかでは、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)の12本が最も少なく、2017年の3分の1に減った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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