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対イチロー被打率ランキング。最も封じ込んだ投手と、最も打ち込まれた投手は誰?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ティム・ハドソン(後ろはジョニー・デーモン)Sep 8, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 イチローはメジャーリーグで、2001年のティム・ハドソンから2019年のルー・トリビーノ(オークランド・アスレティックス)まで、1347人(延べ1万734人)の投手と対戦した(レギュラーシーズンのみ)。130打席のジョン・ラッキーを筆頭に、25打席以上でイチローと顔を合わせた投手は、97人に上る。そのうち、被打率が最も低いのは.074(27打数2安打)のフランシスコ・ロドリゲスだ。

筆者作成
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 ただ、K-RODはリリーフ投手なので、1試合に1打席ずつしか対戦しなかった。また、2番目に被打率の低いジェレミー・ヘリクソン(.148/ワシントン・ナショナルズ)は先発投手だが、イチローとの対戦はいずれも2011年以降だった。イチローの打率は、最初の10シーズンとその後の9シーズンで大きく異なる。2001年から10シーズン続けて打率.300以上を記録したのに対し、2011年以降はどのシーズンも打率.300未満。2つのスパンに分けると、打率は.331と.268となり、60ポイント以上の差が出る。

 それらを踏まえると、イチローを封じ込んだ投手としては、2001~10年に被打率.215(65打数14安打)のハドソン、.217(23打数5安打)のリッチ・ハーデン、.231(26打数6安打)のジェイク・ウェストブルック、.233(30打数7安打)のカイル・ローシュといった面々を挙げたい。ペドロ・マルティネスロジャー・クレメンスも、対イチローの被打率はハーデンと同じ.217(23打数5安打)だが、彼らは殿堂入りしている、あるいはそうなってもおかしくない実績を持つ大投手だ。イチローだけを封じたわけではないということで、あえて省く。

 一方、対戦25打席以上のなかでは、アーロン・シーリーの被打率.632(19打数12安打)が最も高い。こちらは、すべての対戦が2010年以前(2002~04年)。やや気の毒な感もする。

 また、理由は不明ながら、ジョシュ・ベケットは2010年までイチローを打率.208(24打数5安打)と抑えたものの、2011年以降は.467(15打数7安打)と打ち込まれた。ベケットの被打率は、2001~10年が.243、11~14年は.234だ。

 なお、対イチローの被安打はラッキーの37本が最も多い。被本塁打はジェイソン・ジョンソンの4本、被三塁打はダグ・デービスの3本、被二塁打はアービン・サンタナ(シカゴ・ホワイトソックス)の7本、奪三振はラッキーとジェームズ・シールズの16、与四球はサンタナの8が最多。これらは、対戦の多さも理由の一つだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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