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最も防御率が下がった投手、最も上がった投手。前年から1点以上悪化した6投手中3人はチームメイト

宇根夏樹ベースボール・ライター
ディラン・バンディ(ボルティモア・オリオールズ)Sep 13, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ここ2年とも150イニング以上を記録した投手は、39人を数える。約4分の1に当たる9人は、今シーズンの防御率が昨シーズンから1点以上も下がった。なかでも、トレバー・バウアー(クリーブランド・インディアンズ)の防御率は4.19から2.21へ、ほぼ2点下降した。

筆者作成
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 昨シーズンまで、バウアーは防御率4.00未満すら一度もなかった。投球よりも、ドローンによる怪我や奔放な発言が話題を呼んでいた。だが、ドラフト入団は2011年の全体3位だ。UCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)時代は、ゲリット・コール(ヒューストン・アストロズ)とともに投げていた。こちらは、2011年のドラフト全体1位。防御率の下降幅は6番目に大きかったが、今シーズンの2.88はキャリア・ベストではなく、昨シーズンの4.26以外は、どのシーズンも4.00未満を記録している。ちなみに、コールとバウアーの間に、シアトル・マリナーズから指名されたバージニア大の左投手、ダニー・ハルツェン(シカゴ・カブス)は、まだメジャーデビューしていない。

 また、田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)も防御率の下降幅は-0.99と大きく、ジョン・レスター(カブス)の-1.01に次ぎ、10番目に位置する。ただ、昨シーズンの防御率4.74は、メジャーリーグにおけるキャリア・ワースト、今シーズンの3.75はワースト2位だ。4年続けて、前半戦の防御率が後半戦より高い。

 一方、防御率が昨シーズンから1点以上も上がった投手は6人いて、その半数はボルティモア・オリオールズで投げた。3人とも15敗以上を喫し、オリオールズの黒星は両リーグ最多の115敗に達した。+1.89のアンドルー・キャッシュナーと+1.24のアレックス・カッブは、昨オフにFAとなってオリオールズに入団。それぞれ、2年1600万ドルと4年5700万ドルの契約を得た。+1.21のディラン・バンディは、2011年のドラフトでバウアーの次に指名されたが、開花には至っていない。とはいえ、バンディは高校からプロ入りした。コールとバウアーが来シーズンの開幕を28歳で迎えるのに対し、バンディは2つ下の26歳だ。オリオールズは夏にマニー・マチャドをロサンゼルス・ドジャースへ放出するなど、再建に舵を切った。

 なお、「最も打率が上がった選手、最も打率が下がった選手。ア・リーグ首位打者は上昇幅もトップ。前年と同じは2人」で紹介したとおり、昨シーズンと同じ打率の野手は2人いたが、同じ防御率の投手はいなかった。-0.10以内の変動は0人、+0.10以内は4人。ザック・グレインキー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は3.20→3.21、マックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)は2.51→2.53、カルロス・カラスコ(インディアンズ)は3.29→3.38なので、今シーズンも変わらぬ好成績と言えるが、イバン・ノバ(ピッツバーグ・パイレーツ)は4.14→4.19だ。ニューヨーク・ヤンキース時代には「スーパー・ノバ(超新星)」と称されたが、そこから大成できず、来年1月には32歳となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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