Yahoo!ニュース

前田健太はワールドシリーズ、古巣の広島は日本シリーズへ。同年にそうなった日本人選手は過去3人、結果は

宇根夏樹ベースボール・ライター
リーグ連覇/前田は、右の方で左手を上げるM.ケンプの背後 Oct 20,2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 前田健太の在籍するロサンゼルス・ドジャースが、ワールドシリーズ進出を決めた。一方、前田の古巣、2015年まで在籍していた広島東洋カープは日本シリーズへ進む。ドジャースは今年で地区6連覇、広島東洋はリーグ3連覇だが、広島東洋が日本シリーズに進出した一昨年は、ドジャースがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズで敗れた。ドジャースがワールドシリーズへ進んだ昨年は、広島東洋がクライマックスシリーズで敗退した。両球団とも、最後に頂点に立ったのは1980年代だ。ドジャースは1988年以来のワールドシリーズ優勝、広島東洋は1984年以来の日本シリーズ優勝をめざす。

 日本人選手がワールドシリーズに出場した年に、その選手の古巣の球団が日本シリーズに進出したことは、これまでに3度あった。2007年の岡島秀樹と北海道日本ハムファイターズ、2009年の松井秀喜と読売ジャイアンツ、2013年の上原浩治と読売がそうだ。松井と上原と同じく、岡島もプロ入りは読売だが、2006年は北海道日本ハムで投げた。

 この3度とも、選手自身はワールドシリーズで優勝している。ただ、ワールドチャンピオンと古巣の日本一が重なったのは、2009年の松井だけだ(松井はシリーズMVPも受賞した)。2007年の北海道日本ハムは1勝4敗、2013年の読売は3勝4敗で敗れた。

 2009年の場合、松井の在籍するニューヨーク・ヤンキースと古巣の読売は、ともにシリーズ第6戦に優勝を決めた。頂点に立ったのは、ヤンキースが11月4日(日本時間5日)、読売は7日だった。今年も、結果はさておき、優勝決定の順番は同じ可能性が高い。逆になるのは、雨などによる順延がない限り、ワールドシリーズが10月31日(日本時間11月1日)の第7戦までもつれ、日本シリーズが10月31日の第4戦で終わるパターンしかない。

 なお、ドジャースではなくボストン・レッドソックスがワールドチャンピオンになり、広島東洋が日本シリーズで優勝すれば、前田ではなくライアン・ブレイジャーが、同じ年に自身のワールドシリーズ優勝と古巣の日本一を味わう。昨シーズン、ブレイジャーは広島東洋――登録名はブレイシア――で26試合に投げ、クライマックスシリーズでも登板した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事