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まさにオーランド・マジック!? レギュラーシーズン3本塁打の選手が、ポストシーズンですでに3本

宇根夏樹ベースボール・ライター
オーランド・アルシア(ミルウォーキー・ブルワーズ)Oct 15, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミルウォーキー・ブルワーズのゲーム・ノーツは、NBAのチーム名に引っかけて「オーランド・マジック」と銘打った。

 今シーズン、オーランド・アルシアはレギュラーシーズンの119試合に出場し、82安打を打ったものの、そのうち、ホームランは3本しかなかった。ところが、初めてのポストシーズンでは、早くも3本のホームランを記録している。ディビジョン・シリーズ第3戦に続き、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第2戦と第3戦にも打った。

 レギュラーシーズンの本塁打が3本以下で、その年のポストシーズンに3本以上の本塁打を記録した選手は、アルシアの前には、1981年のウィリー・ランドルフと2016年のロベルト・ペレス(クリーブランド・インディアンズ)しかいなかった。ランドルフの本塁打は、レギュラーシーズンが2本、ポストシーズンは3本。ペレスはどちらも3本ずつだ。

 アルシアのポストシーズンの本塁打は、レギュラーシーズンの本数を上回る可能性もある。今年のポストシーズンで、ブルワーズは少なくともあと2試合、多ければあと10試合を行う(これを書いている時点では、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第4戦を終えて2勝2敗)。ディビジョン・シリーズを含む7試合中6試合に、アルシアは遊撃手として先発出場している。

 もっとも、アルシアはまったくのノンパワーではない。昨シーズンは、15本のホームランを打った。それに対し、ランドルフのシーズン最多は7本、ペレスは――打数が少ないせいもあるが――8本だ。

 ちなみに、兄のオズワルド・アルシア(北海道日本ハムファイターズ)の本塁打は、レギュラーシーズンが14本、クライマックスシリーズ・ファーストステージ(敗退)は0本だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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