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田中将大が達成した「メジャーデビューから5年連続2ケタ勝利」はどれくらいの記録なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 1, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月1日、田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)がシーズン10勝目を挙げ、メジャーデビューからの2ケタ勝利を5年連続とした。

 投手の白星と黒星は、必ずしも投球内容とは直結していない。今シーズン、ジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)は防御率1.68で8勝8敗だが、防御率5.66のルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)は10勝9敗、防御率4.70のジョン・グレイ(コロラド・ロッキーズ)は11勝7敗だ。防御率も投球内容とイコールではないものの、勝敗と比べれば、まだ近い。

 とはいえ、デビューから5年続けて2ケタ勝利となると、運だけではできない。ヤンキースからメジャーデビューし、移籍せずに最初の5シーズンとも2ケタ勝利は、アンディ・ペティットと田中の2人だけだ。ペティットは1995年から2003年まで、9年続けて12勝以上を挙げた。右投手では、田中がヤンキース史上初ということになる。田中も過去4年の白星は、2015年の12勝が最も少ない。

 メジャーリーグ全体でも、ペティットから田中までの間には、8人しか記録していない。1995~2014年の20年間にデビューした投手のなかで、田中は10人目ということだ。2010年以降にデビューした投手に限れば、田中以外は皆無。デビューから5年連続2ケタ勝利は、継続中では最も長く、今シーズン、並ぶ可能性のある投手もいない。

筆者作成
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 ちなみに、田中のチームメイトであるCC.サバシアが2001~13年に記録した、デビューから13年連続2ケタ勝利は、1900年以降では5番目に長い。ドン・サットン(1966~82年)の17年連続、エディ・プランク(1901~16年)の16年連続、カール・ハッベル(1928~42年)とトム・シーバー(1967~81年)の15年連続に次ぐ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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