Yahoo!ニュース

19歳のルーキーが史上7番目の若さで1試合2本塁打。3位にいるのは楽天でもプレーしたあの選手

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンドルー・ジョーンズ/1996年のワールドシリーズ Oct 20. 1996(写真:ロイター/アフロ)

 6月13日、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)が1試合に2本のホームランを打った。ソトは19歳のドミニカンだ。5月20日にメジャーデビューし、翌日に初本塁打、6月2日に2本目、8日に3本目を放ち、13日に4本目と5本目を打った。

 ESPNスペイン語版のツイートによると、ソトの1試合2本塁打は史上7番目の若さだ。13日時点の年齢は、19歳と231日。最年少記録はダニー・マーフィー(19歳と35日)が持ち、メル・オット(19歳と77日)に次ぐ3位には、2013~14年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーしたアンドルー・ジョーンズ(19歳と121日)がランクインしている。さらに、その後ろには、オット(19歳と187日)とケン・グリフィーJr.(19歳と190日、19歳と226日)が続く。

 ソトの初本塁打の際に「19歳の新人がホームランを打ったことで、改めて際立つチームメイトの早熟」でも書いたとおり、チームメイトのブライス・ハーパーは、10代で22本のホームランを打った。ポストシーズンを含めると23本だ。1試合2本塁打は2度記録している。ただ、その時点の年齢(日数)はソトよりも上だった。

 今から22年前、ジョーンズは初の1試合2本塁打を記録した。1996年8月にメジャーデビューし、6試合目にキャリア2本目と3本目のホームランを打った。マーフィー、オット、グリフィーのデビューはジョーンズよりも早く、3人のなかで最も遅いグリフィーでも1989年だ。従って、ソトの1試合2本塁打は、1997年以降の最年少記録ということになる。

 また、19歳のジョーンズによる1試合2本塁打は、これだけではなかった。1996年のワールドシリーズ第1戦で、ジョーンズは1打席目と2打席目にホームランを打った。当時の年齢は、現時点のソトよりも若い19歳と180日。1試合2本塁打どころか、ワールドシリーズでホームランを放った10代の選手は、他には誰もいない。ジョーンズはこの3日前のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第7戦でも、ホームランを1本放っている。こちらは、ポストシーズンの最年少記録(19歳と177日)だ。

 ソトよりも若くして1試合2本塁打を記録した4人のうち、マーフィーは通算4本塁打しか打てず、途中で転向した投手でも成功できなかった。だが、他の3人は400本以上。殿堂入りしたオット(511本)とグリフィー(630本)には及ばないものの、ジョーンズも434本のホームランを放った。外野手の守備でも、ゴールドグラブ10度はグリフィーと並ぶ。

 5人目のソトは、ここまでの20試合で打率.344と出塁率.447を記録し、5本塁打を打っている。

 

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事