Yahoo!ニュース

投手が盗まれたのはモーションではなく、腕時計など総額10万ドルの品々

宇根夏樹ベースボール・ライター
アニバル・サンチェス(アトランタ・ブレーブス)Jun 9, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月9日、アニバル・サンチェス(アトランタ・ブレーブス)はドジャー・スタジアムのマウンドに上がり、白星を手にした。5.1イニングを投げて2失点。ホームラン1本を含む3安打を打たれ、2四球を与えたものの、盗塁はされなかった。

 けれども、サンチェスは投げている間――あるいはその前後――に、ホテルの部屋に置いてあった腕時計など、総額10万ドル以上の品々を盗まれた。TMZスポーツが報じている。

 昨年9月には、スティーブン・ボート(ミルウォーキー・ブルワーズ)がツイッターで、盗難に遭ったことを明かした。場所は自宅。幸いにも、自身だけでなく家族も不在だったが、盗まれた品々には、他の選手からもらった大切なメモラビリアも含まれていたという。「メモラビリアの行方について気づいた人がいれば、すぐ教えて!!」と綴っている。

 ボートは捕手だ。盗塁阻止率は高くなく、通算26.2%。昨シーズンは500イニング以上でマスクをかぶった40人中、ワースト4位の14.3%だった。5月に「大谷翔平のファウルによる球審退場で思い出されるのは、9年前の審判代行」で書いたとおり、今シーズンは開幕から欠場している。

 また、サンチェスの盗塁阻止率も通算17.3%と低く、昨シーズンは31.6%ながら、今シーズンは16.7%だ。

 これまで、2人がバッテリーを組んだことはなく、ポストシーズンを含む対戦成績は通算11打数4安打(打率.364)。ボートはキャリアを通して1盗塁(2014年)しか記録していないが、その時、マウンドにいて塁を「盗まれた」のはサンチェスだった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事