大谷翔平の「ライバル」はスタントンよりもJ.D.。オールスター・ゲームのファン投票始まる
オールスター・ゲームのファン投票が始まった。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、DH部門の候補15人(各チーム1人)に挙がっている。
この投票で大谷の最大のライバルとなるのは、ジャンカルロ・スタントン(ニューヨーク・ヤンキース)よりもJ.D.マルティネス(ボストン・レッドソックス)だろう。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)で見ると、大谷の.291/.376/.553はいずれも15人中2位だが、J.D.は.317/.377/.654で、3部門とも大谷を上回る。スタントンは.248/.323/.470。どれもトップ5にすら入っていない。
また、J.D.の18本塁打は2位より5本も多い。大谷の6本塁打(11位タイ)は出場試合の少なさも理由だが、量産ペースもJ.D.とは開きがある。J.D.は11.6打数に1本塁打(1位)、大谷は17.2打数に1本(7位)。大谷がホームランを2本放つのとほぼ同じ打数で、J.D.は3本打つ計算になる。スタントンは11本塁打(5位タイ)、18.4打数に1本(9位)だ。
成績だけではない。大谷は日本からの票が見込めるのに対し、J.D.は「レッドソックス・ネイション」と呼ばれるニューイングランド地方の「地盤」を持つ。
1999年のファン投票では、マサチューセッツ州カーバーに住む22歳の男性が、投票回数の制限を出し抜くプログラムを用いて、ノマー・ガルシアパーラ(レッドソックス)に3万9000票を投じた。結局、この行為は発覚して無効票とされたものの、ガルシアパーラはそれ以外に109万票近くを集め、ア・リーグ遊撃手部門2位のデレク・ジーター(ヤンキース)に2万票差をつけた。この年のオールスター・ゲームはボストンのフェンウェイ・パークが舞台だったとはいえ、「レッドソックス・ネイション」の票を侮ることはできない。