カノーの出場停止後、マリナーズが動いた。「最もポストシーズンから遠ざかる球団」の称号を返上するために
5月15日、薬物の陽性反応により、ロビンソン・カノー(シアトル・マリナーズ)が80試合の出場停止を科された。マリナーズはセンターのディー・ゴードンをカノーの抜けた二塁へ移し、センターにはギレルモ・ヘレディアを据えた。
ゴードンは昨シーズンまで、マイアミ・マーリンズで二塁を守っていた。ヘレディアは4月下旬にAAAへ――イチローではなく彼が――降格となった時点で出塁率.417を記録していた。5月頭の昇格後は、20試合で出塁率.452だ。
二塁へ移ってすぐ、ゴードンは故障者リストに入った。ただ、マリナーズが直後にタンパベイ・レイズから獲得したのは、二塁手ではなく外野手と救援投手、ディナード・スパンとアレックス・コロメだった。
早ければ、ゴードンは5月中に復帰できる。また、このトレードは、外野の選手層を厚くする意図もあるが、それ以上にブルペン補強の意味合いが大きいと思われる。
コロメはカッターを軸に、過去2年に計84セーブを挙げた。昨シーズンの47セーブは、両リーグで最も多かった。だが、ここからは、クローザーのエドウィン・ディアズにつなぐセットアッパーとして投げる。マリナーズのブルペンでは、デビッド・フェルプスが開幕前にトミー・ジョン手術を受け、シーズン全休となった。ディアズの直前に登板することの多いホアン・ニカシオは、防御率5点台だ。
マリナーズは現在、ヒューストン・アストロズに次ぐ地区2位にいる。勝率はア・リーグ4位なので、このままいけば17年ぶりにポストシーズン進出を果たし、「最もポストシーズンから遠ざかる球団」の称号を返上できる。
なお、カノーの出場停止は8月半ばに終わるが、今秋のポストシーズンには出場できない。