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レブロンがMJに並ぶ「真のGOAT」になるために必要なもの

宇根夏樹ベースボール・ライター
レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)Apr 25, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)がマイケル・ジョーダンに並ぶ真のGOATになるには、欠けているものがある――。ある球団は、こう主張する。

 GOATはGreatest of All Time(グレイテスト・オブ・オール・タイム)の略だ。史上最高を意味する。ある球団はフィラデルフィア76ersではなく、フィラデルフィア・フィリーズ傘下のAAA、リーハイバレー・アイアンピッグスだ。

 ピッグスは5月10日に、レブロンに対する手紙をホームページに掲載した。そのなかでピッグスは、レブロンが真のGOATになるには、すなわちマイケル・ジョーダンに並ぶには、大きく欠けているものがあり、それは「マイナーリーグ・ベースボールでの凡庸なプレー」だと主張。そして、最後に「球団社長のカート・ランデスが、フリー・エージェントとの交渉が解禁になる7月1日の午前12時1分に連絡します」と締めくくっている。

 また、ツイッターには「提案:もしキング・ジェームズが本当にMJに追いつきたいなら、マイナーリーグ・ベースボールでシーズンを過ごす必要がある。この夏にアイアンピッグスを選んでほしい」と綴っている。

 ピッグスの手紙にもあるとおり、ジョーダンは1994年にシカゴ・ホワイトソックス傘下のAA、バーミンガム・バロンズでプレーした。外野を守り、127試合に出場して打率.202、出塁率.289、長打率.266、3本塁打、30盗塁(失敗18)。メジャーリーグには昇格できず、翌年にシカゴ・ブルズへ復帰した。

 11年前には、アレックス・ロドリゲスもレブロンと似たような申し出をされたことがある。A-RODがニューヨーク・ヤンキースからFAとなった際、デトロイト・タイガース傘下のAAA、トレド・マッドヘンズが、A-RODの代理人に契約を申し出る手紙を送った。

 これは、その直前に行っていた契約延長の交渉が捗らず、ヤンキースのオーナーの息子、ハンク・スタインブレナーが「あいつはヤンキースの選手として殿堂入りしたいのか、それともトレド・マッドヘンズの選手としてか?」と言ったのを受けたものだ。結局、A-RODはヤンキースと再契約を交わしたが、マッドヘンズは念の入ったことに、殿堂に飾られるのと同じような、マッドヘンズのキャップをかぶったA-RODのプラークも作成した。

 A-RODと違い、レブロンはバスケットボール・プレーヤーだが、契約を途中で自ら打ち切ることができる「オプト・アウト」の権利を持っている点は、当時のA-RODと共通する。A-RODと同じく、レブロンもそれを行使してFAになるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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