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バーリーが現役4人目の200勝に到達。300勝に最も近いのは誰だ

宇根夏樹ベースボール・ライター

4月10日、マーク・バーリー(トロント・ブルージェイズ)がシーズン初登板で白星を挙げ、通算200勝に到達した。これは史上116人目(ア・リーグとナ・リーグで記録した白星に限ると113人目)。2013年以降では5人目の達成だ。

5人のうち、203勝のロイ・ハラデイはすでに引退しているが、他の4人は今も投げ続けている。214勝のティム・ハドソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、208勝のCC サバシア(ニューヨーク・ヤンキース)、206勝のバートロ・コロン(ニューヨーク・メッツ)、そして、バーリーだ。彼らのなかから、史上25人目の300勝投手は誕生するだろうか。

ハドソンとコロンの両右腕は、まず無理だろう。ハドソンは現役最多勝だが、昨シーズンまでの平均13.4勝というペースでも、300勝まではあと7年かかる。ハドソンは7月に40歳を迎える。コロンはさらに年上で、5月に42歳となる。

サバシアとバーリーの両左腕は、まだ30代半ばだ。昨シーズンまでの平均はそれぞれ14.9勝と13.3勝。同じペースであれば、サバシアは40歳、バーリーは43歳で300勝に到達する。平均10.0勝なら、43歳と46歳だ。

ただ、サバシアはメジャーデビュー以来13年続けて180イニング以上を投げてきたが、昨シーズンは右膝の故障により、46.0イニングに終わっている。サバシアのDL(故障者リスト)入りはこれが初めてではなく、6度目のことだ。

一方、バーリーはメジャーリーグ2年目から昨シーズンまで、一度もDL入りせず、14年続けて200イニングをクリアしてきた。サバシアと違い、バーリーは若い頃から軟投という点もプラス材料だろう。バーリーは短い投球間隔でポンポン投げるものの、それとは対照的に球は遅く、速球のシーズン平均球速は90マイル(約144.8km)に達したことがない。

いつまで投げ続けるかはわからないが、現時点では300勝に最も近いのはバーリーではないだろうか。

それにしても、300勝は遠い。2009年に到達したランディ・ジョンソンを最後に、もう出てこないかもしれない。投手の白星は必ずしもその力量を表すものではないとはいえ、やはり、これだけの数を積み上げるのは偉大だ。それが200勝であっても、同様のことは言えよう。

なお、バーリーに続く200勝投手は、152勝のジャスティン・バーランダー(デトロイト・タイガース)となる可能性が高そうだ。32歳の年齢は、150勝以上の5人のなかでずば抜けて若い。うち3人の白星はバーランダーより多いが、165勝のバリー・ジート(オークランド・アスレティックス)と156勝のフレディ・ガルシア(ロサンゼルス・ドジャース)は現在、メジャーリーグ復帰をめざしてAAAで投げている。また、155勝のA.J.バーネット(ピッツバーグ・パイレーツ)は今シーズン限りの引退を表明している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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