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2015年の初夢――カブスが107年ぶりにワールドシリーズ優勝!!

宇根夏樹ベースボール・ライター

ついに2015年がやってきた。今年はシカゴ・カブスが70年ぶりのワールドシリーズ出場を果たし、107年ぶりのワールドチャンピオンに輝く……と「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」では描かれている。

これは、映画の夢物語ばかりでもない。カブスが2015年に「山羊の呪い」を解いて優勝する可能性はある。

2011年のオフにセオ・エプスティーンが球団社長となったのに続き、このオフにはジョー・マッドンが監督に就任した。エプスティーンはボストン・レッドソックスのGMとして、2004年に「バンビーノの呪い」を解いた(現カブスGMのジェド・ホイヤーも、当時のレッドソックスにいた)。マッドン監督はタンパベイ・レイズを率いて、2008年に球団初の勝ち越しと地区優勝をもたらし、ワールドシリーズまで導いた。エプスティーンとマッドンのタッグは「レイダース/失われたアーク」のジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグを思わせる。

選手の顔ぶれもなかなかだ。先発投手陣には6年1億5500万ドルでジョン・レスターを迎え入れ、昨年7月に放出したジェイソン・ハメルも2年2000万ドルで呼び戻した。彼ら2人に加え、昨シーズンに開花したジェイク・アリエタもいる。

野手陣には才能ある若手がひしめく。昨年8月にメジャーデビューしたハビア・バイエズ(22歳)とホルヘ・ソレーア(22歳)に続き、2015年はクリス・ブライアント(22歳)も昇格するはずだ。シーズン終盤には、アディソン・ラッセル(20歳)やアルバート・アルモラ(20歳)も出てくるかもしれない。彼らは5人とも、2014年の開幕前のプロスペクト・ランキングで全体50位以内に入っていた。

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バイエズ、ソレーア、ブライアントの3人は、2014年にAAAでマニー・ラミレスの薫陶も受けている。彼らが一気にブレイクすれば、2014年にナ・リーグ2位の32本塁打と3位のOPS.913を記録したアンソニー・リゾー(25歳)とともに、強力なラインナップを構築できる。まさに「未来は今」といったところだ。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」によれば、カブスはワールドシリーズでマイアミのチームを相手に5連勝する(この他、映画に出てくるUSAトゥディ紙には「バイオニック・アームを使用した投手が出場停止処分」という記事も載っている)。実際のワールドシリーズは4勝で優勝だが、リーグ・チャンピオンシップシリーズでマイアミ・マーリンズを倒し、続いてマーリンズと同じくフロリダ州に本拠を置くレイズをスウィープで下せば、ほぼ映画は現実となる。ちなみに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」が公開された当時は、マーリンズもレイズもまだ存在していなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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