Yahoo!ニュース

連休最後の2日間どう過ごすか、5つの対策

海原純子博士(医学)・心療内科医・産業医・昭和女子大学客員教授
背伸び(ペイレスイメージズ/アフロ)

長かった連休も残りわずか。職場や普段の日常生活に円滑に戻るために連休最後の2日間の過ごし方が決め手になりそうです。連休中失われがちだと思われるのは生活リズムと食生活のバランスです。起床時間と就寝時間が普段よりずれてしまっている方、また外食や間食が多かった方はこの2日間でリズムを戻しておくといいでしょう。リズムを戻し無理なく普段に戻る方法について考えましょう。

1.朝はとにかく太陽の光を浴びる

すこし眠くても普段と同じ時間に起床して窓を開けて太陽の光を浴びてください。太陽の光を浴びることで体内時計のリセットができます。

体内時計をリセットすると身体は活動状態になり、メラトニン(睡眠を促すホルモン)の分泌が低下し起きてから14-16時間後に再び分泌されはじめるので自然に夜も早めに眠くなるはずです。曇っていても窓を開けて深呼吸してください。

2.食べ過ぎデトックスにカリウム

食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎのデトックスにはカリウムが特効薬です。食べ過ぎたり、外食、スナック菓子の間食が多くむくみが気になる方も多いと思います。これは体内にナトリウムが貯留している場合が多いからです。このようなむくみを解消するには電解質のカリウムをとるのが最適です。体内の塩分、ナトリウムの排泄を促す働きがあるからです。カリウムを多く含み手軽に食べられる食品としてはバナナ、トマト、キウィー、アボカドなどがあります。朝食にフルーツを中心にしたサラダを作ってはいかがでしょう。

3.この呼吸法で自律神経を整える

もうすぐ仕事だ、あるいは学校だと考えて不安になる方もいるでしょう。また混んだ電車に乗るのか、また嫌な上司と顔を合わせるのかと思うだけで不安になりストレスになることもあります。不安や緊張で交感神経が優位になると体調不良を引き起こします。副交感神経の働きを維持し交感神経とのバランスをよくするために呼吸法が効果的です。鼻から息を吸い、吸う息の倍の時間をかけて息を吐くという呼吸を静かに繰り返していると呼吸が自然に深くなり脈拍が落ち着いてきます。ちなみに不安障害や不眠の方に私がお教えしている呼吸法は右の鼻腔の鼻翼を軽く指で押さえ左の鼻腔から息を吸ってもらいます。吸う際1、2、3、と数を数えて吸ってもらい次に左の鼻の鼻翼を軽く押さえ右の鼻腔から吸った息の倍の数つまり6数えてゆっくり息を吐いてもらいます。これを繰り返し慣れたら4数えて息を吸いその倍の8数えて吐くというように、吸った息の倍の時間をかけて息を吐くようにします。5数えて吸い10数えて吐く、くらいまで吐く息を伸ばすと交感神経がかなり緩みリラックスした状態になることができます。夜寝る前にこの呼吸をお勧めします。

4.寝る前最低2時間はスマホ断ち

スマホやパソコンのブルーライトは強烈な覚せい効果があります。寝る前2時間はスマホはやめて睡眠の質をよくしておくことが翌朝のすっきり感の条件です。生活リズムをとり戻すこの2日間だけでも夜のスマホをやめてみてはいかがでしょう。

5.時間に追われる感覚をなくすために

連休明けが不安な要因のひとつに時間に追われているような感覚があるものです。この不安感をなくすには時間に追われる感覚から、時間が後からゆっくりやってくるような感覚に転換する必要があるでしょう。この対策として簡単にできることは連休明け初日の5月7日はいつものお決まりの時間より15分早く起きて5分ほど朝の太陽を浴びて身体を伸ばし普段より10分早く出勤するのが一つの対策です。時間に追われる感じがなくなりゆとりができて焦りが減るものです。

博士(医学)・心療内科医・産業医・昭和女子大学客員教授

東京慈恵会医科大学卒業。同大講師を経て、1986年東京で日本初の女性クリニックを開設。2007年厚生労働省健康大使(~2017年)。2008-2010年、ハーバード大学大学院ヘルスコミュニケーション研究室客員研究員。日本医科大学医学教育センター特任教授(~2022年3月)。復興庁心の健康サポート事業統括責任者(~2014年)。被災地調査論文で2016年日本ストレス学会賞受賞。日本生活習慣病予防協会理事。日本ポジティブサイコロジー医学会理事。医学生時代父親の病気のため歌手活動で生活費を捻出しテレビドラマの主題歌など歌う。医師となり中止していたジャズライブを再開。

海原純子の最近の記事