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苦戦が続くレンジャーズ、もう1人のエース ハメルズ離脱でダルビッシュ放出に動く?

豊浦彰太郎Baseball Writer
彼自身は好調だが・・・(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

レンジャーズは、ダルビッシュ有を7月末までのトレードデッドラインまでにトレードするかも知れない。もう1人のエースであるコール・ハメルズが右脇腹を痛め故障者リスト入りしたからだ。

右ヒジのトミー・ジョン手術から復帰し、今季ここまでの6登板で4度のクオリティ・スタートを記録しているダルビッシュが放出されるかもしれない、とは不可思議に思われるかもしれない。

しかし、レンジャーズは開幕ダッシュに失敗し、現在11勝17敗でア・リーグ西地区最下位に低迷している。もちろん、長いシーズンはまだ1ケ月経過したに過ぎないのだが、ハメルズの離脱は最低でも2ケ月に至ると見られている。そうなると、そうなると、ここからの巻き返しはかなり苦しくなってくる。

一方、ダルビッシュは今季が契約最終年だ。FA市場に打って出れば年平均2500万ドルの5年契約あたりが獲得への攻防ラインになるとみられる彼との契約を延長すべきかどうかは、ジョン・ダニエルズGMにとって今季の大きな課題なのだ(ワールドシリーズ終了までは、レンジャーズに独占交渉権がある)。

レンジャーズは、すでに多くのベテラン選手と長期契約をコミットしている。遊撃手のエルビス・アンドゥルスにはあと6年8800万ドル、外野手のシンソ・チューには4年8200万ドルといった按配だ。これらの契約の終盤には、彼らは現時点より力が衰えているはずで、そのサラリーはチームには負担となっているかもしれない。いや、それだけではない。故障のため昨季限りで事実上の引退状態にあるプリンス・フィルダーも登録上は故障者リストに載っている状態(保険による補てんを受けるためだ)で、彼にこの先4年3600万ドルを支払わねばならない。また、2021年には完成する予定である新球場の建設費として、総額の50%に当たる5億ドルを負担する必要がある。

このような状況で、今季オフFAに2人の主力がFAとなる。それが、昨季夏にブルワーズから獲得した正捕手のジョナサン・ルクロイとダルビッシュだ。一般的には、この2人と再契約を結ぶのはレンジャーズにはtoo muchで、ダニエルズは選択を迫られることになると見られている。

そして、ハメルズの離脱で今季の巻き返しの可能性が低くなれば、現時点での商品価値が高く、かつ来季以降の長期高額契約は年齢や過去の故障歴からのリスクもはらむダルビッシュを放出する方に傾く可能性があるのだ。

彼を放出した場合のネックとしては、オフに市場に出て来る先発投手にダルビッシュの穴を埋められそうな人材は豊富ではない、ということだ。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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