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台風という天災は忘れる間もなくやってくる

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:海水温高く台風衰えず(朝日新聞)

台風への感度の違いは住む地域によって大きく異なる。僕は埼玉県と東京の多摩地域で生まれ育ったので、「すごい雨風の日。外出が大変だ」ぐらいの感覚しかない。台風のために学校や会社が休みになった記憶はない。

昨年の夏に愛知県の三河地方に引っ越してきて、台風への警戒度が「桁違い」だと感じた。愛知県は1959年の伊勢湾台風による高潮・暴風・大雨で死者3000人以上という甚大な被害を受けたからだろう。僕が住んでいるマンションは海辺から徒歩5分ほどで、かつては目の前に美しい砂浜が広がっていたらしいが、現在は完全に護岸されて殺風景な防潮堤が連なっている。「景観など二の次」という悲壮な危機感が伝わってくる。それぐらい台風は怖いものなのだ。

予防行動のテンションも高い。台風が近づく前に自宅の外側をチェックして、物干し竿や植木鉢などが風に飛ばされて他人に迷惑をかけるのを防ぐ。海や川には絶対に近づかない。暴風域に入ったら外出は中止(できるだけ避ける、といったぬるい空気ではない)。どうしても行かねばならないのであれば、暴風域に入る前に目的地に移動しておく。地域の警報や交通機関への影響は地方テレビ局のニュースで常に見る(NHKは地域のくくりが広範囲すぎたりするので、地方局のほうが良い)。停電に備えてラジオも用意。

ちなみに、備えを済ませた上での「台風パーティ」は楽しいらしい。買い物に行けないので、台所に眠っている保存食やレトルト食品、高級酒などを一挙に放出して家族だけの宴会をするのだ。外は激しい暴風雨。でも、家の中は安全。高揚感で家族の絆も深まる。備えあれば憂いなし。ただし、避難警報などのニュースはチェックし続ける。

今朝の朝日新聞を読んだ。地球温暖化が進んで海水温が上昇すると、日本周辺に来る台風の数は減るが、風速や降水量などの強度は増すという研究結果があるらしい。大地震は数十年に一度かもしれないが、巨大台風はこれから毎年のように襲来するのだ。今回のような大雨が降れば、内陸の都市部も安全ではないだろう。

「天災は忘れた頃にやってくる」というけれど、台風は忘れる間もなくやってくる。都会での生活を続けていると、自然は「たまに接してリフレッシュさせてくれるもの」になりがちだけど、実際は僕たちの命や生活を脅かす危険な存在でもあることを毎年の台風が思い出させてくれる。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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