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ホテルで注目の「国」をテーマにしたアフタヌーンティー4選とその背景

東龍グルメジャーナリスト
(C) ストリングスホテル東京インターコンチネンタル

4度目の緊急事態宣言が発出

東京都に4度目の緊急事態宣言が発出されました。期間は7月12日から8月22日までとなっていましたが、感染拡大が収まらないということから8月31日までに延長。

飲食店は夏の営業がほぼ全て制限されることになり、夏のために計画されていたアルコールに関係したプランは台なしとなってしまいました。

ホテルは特にコンプライアンスが厳格であり、国や都からの要請にしっかりと従っています。お酒やディナーに頼れないため、引き続きアフタヌーンティーに力が入れられており、様々なものを考案。

そして最近目立っているのは、何かしらの国を想起させるものです。国をテーマとしたホテルのアフタヌーンティーがとてもユニークなので、背景とともに紹介していきましょう。

ザ・プリンス パークタワー東京

(C) ザ・プリンス パークタワー東京
(C) ザ・プリンス パークタワー東京

夏といえば、ハワイをイメージする人は多いのではないでしょうか。ザ・プリンス パークタワー東京「ロビーラウンジ」では「ハワイアンアフタヌーンティー」が2021年8月31日まで行われています。

毎年人気のハワイアンフェアですが、今年はよりハワイを感じられるようにと、多くの人から親しまれている「ホノルルクッキーカンパニー」とコラボレーションしているのがポイント。約3ヶ月もの準備期間を経て実施に至ったという、肝いりのアフタヌーンティーです。

ホノルルクッキーサンドは2種類のホノルルクッキーでリリコイ(パッションフルーツ)クリームを挟んでいます。味わいはもちろん、パイナップル型の見た目も印象的。チョコレートムースには、タルト生地に砕いたホノルルクッキーが練り込まれています。ハワイが好きな人には特に嬉しいアフタヌーンティーです。

キンプトン新宿東京

(C) キンプトン新宿東京
(C) キンプトン新宿東京

美食の国といえばフランス。キンプトン新宿東京「ディストリクト ブラッスリー・バー・ラウンジ」ではフランスの名パティスリー「ピエール・エルメ・パリ」とコラボレーションした「オールデイ・アフタヌーンティー サマー with ピエール・エルメ・パリ」が2021年9月30日まで平日に行われています。

3月から6月にかけて行われた第一弾コラボレーションのストロベリースイーツが好評だったので、今回新たに夏のフレーバーにメニューを刷新し、開催に至りました。アフタヌーンティーが朝9時から夜まで提供されているのは珍しいですが、これはブランチもアフタヌーンティーも楽しみたいという要望が多かったから。

ブランチで人気の「ディストリクト パンケーキ」と、このコラボレーションのためにつくられた「ピエール・エルメ・パリ ニューヨークチーズケーキ」が出色。メインはブランチで人気のメニュー4種類から1つ選べ、スイーツは8種類が用意されています。1度で2つ味わえるアフタヌーンティーです。

パーク ハイアット 東京

(C) パーク ハイアット 東京
(C) パーク ハイアット 東京

アフタヌーンティーはイギリス発祥ですが、日本をテーマにしたものもあります。2021年8月31日まで行われているパーク ハイアット 東京「ピーク ラウンジ」の「ZENガーデン アフタヌーンティー」は日本庭園の枯山水がテーマ。

エグゼクティブ ペストリーシェフのジュリアン ぺリネ氏がオリジナリティ溢れるアフタヌーンティーを創りたいと発案し、総料理長のロナン カドレル氏がサポートして生まれました。実現までに約5週間を要したという、こだわりのアフタヌーンティーです。

6品のスイーツの中で特筆したいのが、レモン風味の「盆栽」、玄米茶ムースの「急須」、イチゴとローズティーを用いた「薔薇」。見た目も味わいもクリエイティビティ溢れるものばかりです。セイボリーにはサステナブルシーフードが用いられています。

アフタヌーンティーで日本の魅力を再認識できる素晴らしい試みです。

ストリングスホテル東京インターコンチネンタル

(C) ストリングスホテル東京インターコンチネンタル
(C) ストリングスホテル東京インターコンチネンタル

色々な国の料理が食べられたら嬉しいものです。それを実現したのが、ストリングスホテル東京インターコンチネンタルで2021年9月30日まで行われている「トラベル・アフタヌーンティー」。世界旅行をテーマにエグゼクティブペストリーシェフの長田学氏が様々なスイーツを考案しました。

昨年実施された「アフタヌーンティー・ジャーニー」が好評だったので、驚きや発見を加え、2か月で3回以上の試作を経てバージョンアップ。世界中のスイーツとセイボリーが集結し、帽子型のルリジューズやスーツケースを模したティラミス、日本では珍しいインディアンフードのパニプリなどが味わえます。最中は、長田氏が得意なチョコレートに、抹茶のガナッシュと小豆、生クリームを合わせた逸品。

世界を旅し、様々なセイボリーとスイーツを体験できるとあれば、その人気ぶりも納得です。

コロナ禍の楽しみ

ここまで各国をテーマとしたホテルのアフタヌーンティーを紹介してきました。ザ・プリンス パークタワー東京は日本で人気のハワイ、キンプトン新宿東京は美食のフランス、パーク ハイアット 東京は日本の枯山水、ストリングスホテル東京インターコンチネンタルは世界中と、どれも非常に個性的。外出自粛のある中で、旅した気分になれるのが大きな特長です。

コロナ禍の中でディナーはふるわず、ランチやアフタヌーンティーが人気となっています。国をテーマとしたアフタヌーンティーが好評なのは、旅行への関心度がそれだけ高いということでしょう。

それぞれのアフタヌーンティーは非常に魅力的なので、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、旅行が自由になった後でも、引き続き人気を博していくように思います。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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