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ホテルで注目の新しいアフタヌーンティー5選とその背景

東龍グルメジャーナリスト
(C) フォーシーズンズホテル丸の内 東京

多くのホテルで新しいアフタヌーンティーが開始

東京都などではまん延防止等重点措置の期間中となっており、飲食店は時短営業となったり、酒類提供を制限されたりしています。ディナーは引き続き控えられている一方で、ランチに加えてアフタヌーンティーが人気。

前回は街場のレストランで新しく始められたアフタヌーンティーを紹介しました。

モダンインディアン、中国料理、とうふ料理、オーストラリア料理、イタリア料理がそれぞれの専門性を生かして、素晴らしいアフタヌーンティーを創り上げています。

街場と同じように、ホテルでも新しいものが登場しています。今回は、新たに開始されたホテルのアフタヌーンティーとその背景を紹介していきましょう。

ANAインターコンチネンタルホテル東京

(C) ANAインターコンチネンタルホテル東京
(C) ANAインターコンチネンタルホテル東京

ANAインターコンチネンタルホテル東京では「アトリウムラウンジ」でアフタヌーンティーが、「シャンパン・バー」でスイーツブッフェが行われています。現在は「抹茶コレクション」がテーマとなっており、連日賑わいをみせています。

さらには、2020年11月1日から「ザ・ステーキハウス」でアメリカンスタイルの「アフタヌーンティー・ブースト」も開始。好評であるため、2021年4月23日からはセイボリー中心の「シーフード・ブースト」も並行して行われるようになりました。2種類のアフタヌーンティーが提供されているステーキハウスなど、他にはありません。

「シーフード・ブースト」ではワインやビールなどの酒肴にもなるセイボリーが少量かつ種類豊富に用意されています。肉料理をあえて入れずシーフードに特化しているのが大きな特徴。

ノンアルコールカクテルもフリードリンクに含まれており、スパークリングワインや日本酒のフリーフロープランが用意されているのも魅力です。

東京ステーションホテル

(C) 東京ステーションホテル
(C) 東京ステーションホテル

東京ステーションホテルには宿泊者に朝食を提供しているゲストラウンジ「アトリウム」があります。東京駅丸の内駅舎の屋根裏なので特別感に溢れていますが、実はこの場所でアフタヌーンティーが行われているのです。

2019年4月に「ロビーラウンジ」でアフタヌーンティーを提供したところ、非常に好評でした。しかし、普段から非常に混雑しており、ほとんど予約がとれない状況。そこで「アトリウム」の広くて素晴らしい空間を利用することになり、2020年7月から「ペントハウス アフタヌーンティー(Penthouse Afternoon Tea)」が開始されることになったのです。

5種類のスイーツに加えて、セイボリーが7種類と充実しているのが特徴。名物のホテル特製エッグベネディクトができたてで食べられるのも嬉しいところです。

6月からは米粉のお菓子「ロンデル」がお土産としてつくようになり、ゲストに大変喜ばれています。

ザ・ペニンシュラ東京

(C) ザ・ペニンシュラ東京
(C) ザ・ペニンシュラ東京

ザ・ペニンシュラ東京では「ザ・ロビー」のアフタヌーンティーがよく知られていますが、2021年4月から行われている金土日限定の「アビエーション アフタヌーンティー」も耳目を集めています。

なぜならば、ホテル最上階に位置する航空機をテーマとしたラウンジ「ザ・セブンシーズ・パシフィック・アビエーションラウンジ」で過ごせるからです。以前のように海外旅行できないので、旅行気分を体験できるようにと企画されました。

スイーツやセイボリーは、ザ・ペニンシュラホテルズが位置する地域や都市からヒントを得てつくられています。香港の焼豚パイ、プロペラをイメージしたチョコレートビスケットシュー、アメリカのニューヨークチーズケーキなど興味を惹かれるものばかり。

メニューはゲストの名前が記載されたオリジナルのボーディングパスになっているので、思い出として持ち帰るのにぴったり。世界を旅した気分になれるアフタヌーンティーです。

フォーシーズンズホテル丸の内 東京

(C) フォーシーズンズホテル丸の内 東京
(C) フォーシーズンズホテル丸の内 東京

フォーシーズンズホテル丸の内 東京は2002年10月15日に開業しましたが、2021年1月中旬からリノベーションを開始し、6月1日にオールデイダイニング「メゾン マルノウチ(MAISON MARUNOUCHI)」が、7月1日にモダンフレンチ「セザン(SÉZANNE)」がオープン。

「メゾン マルノウチ」は朝食からランチ、アフタヌーンティー、ディナーまで、一日中利用できます。そして、気鋭の料理人であるダニエル・カルバート総料理長によるアフタヌーンティーが話題をさらっています。

伝統的な料理や菓子をモダンなセンスで再解釈するダニエル氏によって、どれもひねりのある一品に。セイボリーは一皿ずつサーブされるというこだわりで、季節のスイーツやスコーン、「ロンネフェルト」の紅茶も楽しめます。

世界的なシェフによるアフタヌーンティーを体験できるので、人気がでないわけはありません。

メズム東京、オートグラフ コレクション

(C) メズム東京、オートグラフ コレクション
(C) メズム東京、オートグラフ コレクション

メズム東京、オートグラフ コレクション「ウィスク」の「アフタヌーン・エキシビジョン」は2020年11月9日に開始しました。アーティストのアトリエに訪れ、作品を鑑賞するような気分になれるということで注目を浴びています。

2021年7月1日からはレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「最後の晩餐」から着想を得た第3弾の「サパー(Supper)」を提供。絵画に登場する13人に由来した13種類のスイーツとセイボリーは非常に完成度が高いです。加えて、ダ・ヴィンチの休息をイメージしたパレット型の「洋梨のモクテル&グリッシーニの生ハム巻き」もユニークな一品。モクテルとペアリングされているのも面白い試みでしょう。

クリエイティブディレクターの小泉堅太郎氏、キュリナリーアーティストの養父直人氏、ミクソロジストの横山敏之氏と、3人のセンスが集結して創られたアートアフタヌーンティーの先駆けです。

これまでにはなかったようなアフタヌーンティー

ここで紹介したホテルのアフタヌーンティーはどれも魅力的です。新しく始められただけに、これまでにはない独特のコンセプトを有しています。

ANAインターコンチネンタルホテル東京ではシーフード中心のアイテムやモクテルを味わえ、東京ステーションホテルは駅舎の屋根裏という特別なロケーションです。ザ・ペニンシュラ東京は航空機で世界を旅している気分を満喫でき、フォーシーズンズホテル丸の内 東京は世界的なシェフによるセイボリーが一品ずつサーブされるというこだわりよう。メズム東京、オートグラフ コレクションはクリエイティブディレクターによる絵画をモチーフとしたアフタヌーンティーが生み出されています。

どれも、これまでにはなかったようなアフタヌーンティーばかりなので、気になるものがあれば是非とも訪れてみてください。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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