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トランプ米大統領の支持率は歴代最低

立岩陽一郎InFact編集長
(写真:ロイター/アフロ)

米国のトランプ大統領は4月29日に就任100日目を迎える。この100日目までは新大統領にとって「ハネムーン期間」と呼ばれ党派を超えた歓迎ムードが続くとされるが、トランプ大統領の支持率はこの時期としては例外的に低い。主要メディアの世論調査でついに歴代最低を記録したという。

世論調査はワシントンポスト紙とABCテレビが合同で行った。それによると、トランプ大統領を支持すると答えた人は42%で、不支持と答えた53%を大幅に下回っている。

この時期の大統領の支持率が不支持率を上回るのは2社が合同で調査をするようになって以来、初めてで、支持率の低さは歴代最低となったという。また、不支持率が50%を超えるのも歴代大統領で初めてだという。

(参考記事:安倍総理帰国後のトランプ大統領を襲った側近のスキャンダル~トランプの米国とどう向き合うか? (29))

因みに、この時期の歴代大統領の支持率はオバマ大統領が69%、ブッシュ大統領は59%、クリントン大統領が59%、ブッシュ・シニア大統領が71%、トランプ大統領が自らを重ね合わせることのあるレーガン大統領は73%だった。

他の世論調査でも、トランプ大統領の支持率の多くは40%代となっており、支持率が不支持率を上回っているものは稀だ。世論調査会社ギャロップ社の調査では、トランプ大統領の支持率が不支持率を上回ったのは就任直後の数日だけだった。

ただ、当初から支持していた層は多くが今も熱狂的に支持を表明しているという。ワシントンポスト紙によると、支持すると答えた人は、米国に雇用をもたらそうと努力していることを高く評価しているという。

トランプ大統領は当初は就任100日の期間を重視して、その間に達成すべき課題などを公表していた。しかしその最大のテーマだった医療保険制度の改革が頓挫するなど、思うような結果を出せていない。このため、最近では、就任からの100日に意味はないとするコメントをツイートなどで発信している。

(参考記事:トランプの米国とどう向き合うか? (27)~「トランプ船に乗った安倍総理」 米ジャーナリストから見た日米首脳会談)

InFact編集長

InFact編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。1991年一橋大学卒業。放送大学大学院修士課程修了。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクに従事し、政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管癌被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職。著書に「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」、「NHK記者がNHKを取材した」、「ファクトチェック・ニッポン」、「トランプ王国の素顔」など多数。日刊ゲンダイにコラムを連載中。

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