FOXニュースで看板キャスター辞任 トランプ大統領が擁護もセクシャルハラスメント追及で
トランプ大統領支持で知られるFOXニュースの看板キャスターが辞任。セクシャルハラスメント疑惑でスポンサーが広告を引きあげる中、本人はセクシャルハラスメントの事実を否定、続投の意思を示していた。トランプ大統領も擁護していたが、厳しい世論に抗えなかった。
辞任したのは67歳のビル・オライリー氏。オライリー氏はFOXニュースの平日午後8時から放送していた「オライリー・ファクター」のキャスターを1996年から務め、その歯に衣着せぬ物言いと保守的な論調でFOXニュースの稼ぎ頭として君臨した。
ところが、4月1日にニューヨークタイムズ紙が、オライリー氏は5人の女性からセクシャルハラスメントの被害で訴えられ和解のために総額1300万ドル、日本円で約14億円を支払っていたと報じ、厳しい批判にさらされていた。
これについてオライリー氏は原告らへの支払いを認めつつ、「自分のような立場の人間はこうした訴えに弱い」とコメントし、セクシャルハラスメントは単なる言いがかりだとしていた。
オライリー氏は番組に出続けたが、4月10日の番組の終わりに、かねてから予定していた休暇をとると発言。その後はかわりのジャーナリストがキャスターを務めていた。
しかし、訴えを起こしていない女性がメディアに出て、番組のレギュラーにしたいと言って誘われたのでホテルで食事をし、その後に部屋に連れていかされそうになったので断ったら、そのままレギュラーの話も無くなったと話すなどした為、番組のスポンサーが広告を引きあげる事態に。ニューヨークタイムズ紙によるとその数は50社にのぼっているという。
オライリー氏は、4年間契約で、1年間2500万ドル、日本円で約28億円という破格の契約をFOXニュースと結んでいたが、ニューヨークタイムズ紙によると、セクシャルハラスメントが事実と認められた際には契約を打ち切られるようになっていたという。
(参考記事:トランプ大統領支持の米FOXニュースで看板キャスター降板か)
トランプ大統領は、オライリー氏について、「彼は何も悪いことはしてない」と擁護していた。
オライリー氏は辞任にあたって、「根拠無いクレームによってFOXニュースと袂を分かたねばならないことが誠に残念だ」とするコメントを出している。