トランプ大統領に新たに中国疑惑が浮上か
ロシア政府との不透明な関わりが取り沙汰されるトランプ大統領の周辺。ところが、トランプ大統領自身の不動産取引に新たに中国との不透明な取引が浮上。調査報道を専門とする米国のNPOメディア「マザー・ジョーンズ」が報じた。
記事によると、今年2月21日、中国系米国人の女性実業家がニューヨークのトランプ・パーク・アベニューの1室4LDKを購入。現金で2180万ドルを売主のトランプ大統領の企業グループに支払っている。
購入したのは、アンジェラ・チェン氏。米国企業に中国でビジネスを行う際の支援などを行う会社の代表を務めている。記事によると、チェン氏が購入した部屋はトランプ大統領の企業グループが出している売り出し物件のリストには記載されていなかった。
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更に取材を進めると、チェン氏が中国芸術基金会の米国の責任者を務めていることもわかった。この団体は、表向きは中国と米国との文化芸術交流を目的としているものの、中国人民解放軍の対外工作機関とつながりが指摘されているという。
取材班が中国芸術基金会にチェン氏の不動産取得について問い合わせた後、この団体のウエブサイトがネット上から削除されたという。この一連の取引について、トランプ大統領の企業グループの側もチェン氏の側も取材に応じていない。
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記事の中で、オバマ政権で大統領の倫理問題に関するチェックを行ってきたノーム・エイセン弁護士は、チェン氏、中国芸術基金会、中国の情報機関の関係を考えると、一連の不動産取引は深刻な疑問を呈するとしている。そして、こうした疑問は本来、「大統領の職にある人間が問われるべきものではない」と話す。
なぜチェン氏は公になっていない物件を購入できたのか。なぜ現金での支払いだったのか。これだけの規模の不動産取引で現金というのは極めて珍しい。本当の買主は他にいるのか。様々な疑問が出てくる。
取材をしたラス・チョーマ記者は、「トランプ大統領は身の潔白を証明できるかもしれない。しかし、何れにせよ大統領はこの取引について米国民に説明する責任が有る」と話している。
(参考記事:3 1 1 緊急特集 「 福島第一原発事故から6年 」 「甲状腺がん多発 − 被曝の影響は本当に無いのか?」後編))
トランプ大統領は習近平国家主席と来月会談することになっている。
※マザー・ジョーンズは1976年に設立された調査報道を専門とするNPOメディア。雑誌として始まり、現在はオンライン・メディアとして活動。サンフランシスコに本部。ワシントンDC、ニューヨークに支局を持つ。名称は20世紀初頭に活躍した米国人女性で「マザー・ジョーンズ」と呼ばれた労働活動家のメリー・ジョーンズに因んでいる。トランプ大統領に関する調査報道で2017年の全米雑誌賞を受賞。
(参考記事:現地報告:中国共産党腐敗官僚の実態1))