トランプ大統領、安倍総理宿泊のリゾート施設で公私混同の問題が再燃か

マール・ア・ラーゴで歓談する安倍総理とトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)

日米首脳会談は成功裏に終わったとされ、安倍総理は帰国の途に就いた。しかし、安倍総理の宿泊したトランプ大統領の「別荘」をめぐって、米国では新たな問題が浮上している。それは、大統領が再三指摘されている公私混同の問題の再燃で、安倍総理がトランプ大統領の企業グループの宣伝に使われたのではないかとの指摘も出ている。

●マール・ア・ラーゴ

日本の報道では、安倍総理はトランプ大統領がフロリダに持つ「別荘」に宿泊したということになっているが、これは「マール・ア・ラーゴ」というトランプ大統領のグループ企業が経営するリゾート施設だ。フロリダ半島の海に面した高級リゾート地20エーカーに、高級レストラン、テニスコート、プール、スパなどを備え、世界の一流エンターテイナーを招いてのショーなども行われているという。トランプ大統領とメラニア夫人との結婚披露宴もここで行われている。

http://www.trumpcoltsneck.com/

この施設を大統領が公務として使うことには、当初から疑問の声が出ていた。それは、仮に外国の首脳を宿泊させて支払いを得た場合、法律で禁止されている大統領が外国の首脳から利益提供を受けることになってしまうからだ。

今回の安倍総理夫妻の滞在費は、トランプ大統領からの贈り物ということで一件落着したかに見える。

ただ、実はそれとは異なる別の問題が浮上している。安倍総理ら各国首脳をこのマール・ア・ラーゴに招くことで、この施設の価値が高まり、それがトランプ大統領の企業グループの利益となっている可能性が指摘され始めた。

●いきなり入会費が倍に

最初に報じた米CNBCテレビによると、このリゾート施設の入会金が今年に入って倍に跳ね上がっている。値上がりはトランプ大統領の当選を受けて決まったもので、それまで10万ドル、日本円にして1100万円余りだったものが、今年1月1日からは倍の20万ドル、2200万円になったということだ。

http://www.cnbc.com/2017/01/25/mar-a-lago-membership-fee-doubles-to-200000.html

CNBCの報道を受けてニューヨーク・タイムズ紙は、この問題について識者に取材。識者は、大統領の公私混同を禁じた規定に違反する可能性が高く許容されないと指摘している。

入会金が倍になったのは安倍総理の滞在が決まる前で、日本側に問題のある話ではない。しかし、仮に公私混同の問題が大きな展開を見せた場合、安倍総理の宿泊が常に語られるという不名誉な事態もあり得る。

この公私混同の問題は、トランプ大統領が就任前から指摘され続けている問題だ。トランプ大統領はグループ企業の経営権を息子に譲ったので問題無いとしているが、一方で、グループの株については手放す考えはないとしており、問題はくすぶっている。

(参考記事:トランプ大統領と利益相反問題)

今回問題となっているマール・ア・ラーゴの他に、ホワイトハウスの直ぐ近くにオープンさせたトランプ・インターナショナル・ホテルがあり、ここでも各国の要人が宿泊に使う際の支払いの扱いが問題となっている。

トランプ・インターナショナル・ホテル
トランプ・インターナショナル・ホテル

●「各国首脳を宣伝に使っているようなもの」

首都ワシントンで大統領を取材する米国人ジャーナリストは次の様に話している。

「トランプ大統領はマール・ア・ラーゴを『冬のホワイトハウス』と呼んで、これからも各国の首脳を呼ぶと見られている。しかし、これでは安倍総理や、各国首脳を自分のグループの宣伝に使っているようなものだ。トランプ大統領の公私混同は他にもいろいろと指摘されており、やがて大きな問題に発展する可能性がある」

※これまでConflict of Interestsについて、逐語訳である「利益相反」を使っていましたが、日本語としては、「公私混同」が最も理解しやすいと考え、「公私混同」という言葉を使っています。