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政府と自民党の対応を憲法の立場から糾弾したBPO意見書

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(183)

霜月某日

放送倫理・番組向上機構(BPO)は6日、NHKの報道番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑について、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表したが、その中でNHK以上に批判の矛先を向けた相手は総務省と自民党である。総務省と自民党は憲法が保障する「表現の自由」を無視する行為を行ったとBPOは厳しく非難した。

1970年代からテレビ・ドキュメンタリーを作ってきたフーテンから見て、最近のテレビは「やらせ天国」のように見える。昔はテレビに映されることを拒否する人間が多く、撮影の許可を取るのは一苦労だった。撮影する側とされる側の「垣根」をなくすには時間が必要で、その時間によって作られる人間関係の延長にドキュメンタリーの制作はあった。

しかし最近は「よくこんなところまで映させる」と思う映像がテレビにあふれている。テレビに映りたい人間が多く、撮影する側とされる側の「垣根」がないように見える。そうなるとフーテンの目には両者が馴れ合い、ある種の「やらせ」を演じているようにしか見えない。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:5月26日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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