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DA PUMP 生音で歌い、踊り、メッセージを届けた「自分達の新しい一面に気づけた」セッション

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の9月18日(土)放送回は、DA PUMPが登場。3人のアレンジャーとスーパーバンドとのセッションを楽しんだ。

打ち込み中心で作られた代表曲「if…」を、全て生音で表現。「ドラマティックさに感動」(U-YEAH)

本番前ISSAが「ここまでの編成のバンドとやるのは初めてなので、緊張しています」と言っていたように、錚々たる顔ぶれのミュージシャンが揃い、リハーサルから熱を帯びたセッションが繰り広げられた。生音とダンスがどう融合するのか、メンバーも楽しみにしていたようだ。

1曲目はグループ最大のヒット曲「if…」(2000年)を、斎藤ネコのアレンジで披露。原曲は打ち込み中心で制作されているが、この日は全て生音で表現。ハープシコードの音色が印象的で、力強く流麗なストリングスが重厚感と躍動感を作り出し、原曲とはひと味もふた味も違う印象の仕上がりに。「生バンドは高揚感が出る」(YORI)「気持ちよすぎて、(盛り上がりすぎるのを)押さえるのが大変だった」(KIMI)「この曲を生で再現するのは相当難しいはずですが、クオリティの高さと再現性、ドラマティックさに感動して聴き惚れました」(U-YEAH)とメンバーも絶賛していた。

「Dream on the street」は“ヤンチャ感”にこだわった一夜限りのアレンジ

2曲目は、今年デビュー23年目を迎えたDA PUMPが、意外にも初めてオリコンシングルランキングで1位を獲得した「Dream on the street」(2021年)を披露。アレンジを手がけるのは坂本昌之。「これぞDA PUMPという真骨頂を見せられた」(ISSA)という、ストリートダンスを生かしたファンクダンスナンバーを、坂本が「生でやることでグルーヴの抑揚をさらにアッパーにして、ヤンチャ感を出した」アレンジに仕上げた。名手・本田雅人のサックスが彩りを与え、美しいストリングスが響き渡り、坂本が言う通りクールでヤンチャなイメージのサウンドになっている。

久々のバラード曲「紡-TSUMUGU-」で伝えたいこと

ラストは「if...」「胸焦がす...」以来、約17年ぶりのバラード「紡-TSUMUGU-」(2021年)。「未来が明るくなるように、今思いを紡ぎたい」(ISSA)という、今だからこそ伝えたいメッセージが込められた作品。アレンジは笹路正徳。美しいメロディを、ストリングスの音がその輪郭を更に際立たせる。歌と相まって、生の音に思いを乗せながら踊るダンスが、メッセージを持って伝わってくる。

DA PUMPは、結成メンバーの脱退、新メンバー加入などを経て2014年から7人体制で活動していたが、今年5月からは6人体制となった。ISSAは「今まで色々なことがあったけど、今この6人で意味を持って歩いています。なるべく昨日を振り返らないで、明日はもっといいものを提供できるようにという気持ちで活動しています」と、現在の心持ちを語っている。

「曲の表情や歌詞がより“伝わる”アレンジ、演奏でした」(ISSA)

また、「自分達の新しい一面に気づけた」というこの日のセッションを振り返り「3曲とも全くタイプが違う楽曲で、それがアレンジャーさん、バンドの皆さんによってさらにブラッシュアップされて、曲の表情や歌詞がより“伝わる”作品になったと思う」(ISSA)と、大いに刺激を受けたようだ。

DA PUMPのパフォーマンスが楽しめる『Sound Inn S』(BS-TBS)は、9月18日(土)18時30分からオンエアされ、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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