石川さゆり “ソーシャルディスタンスライヴ”で、「ミュージシャンと生で音楽を作れる幸せ」をかみしめる

写真提供/BS-TBS

石川さゆりがスタジオで、豪華ミュージシャンと“ソーシャルディスタンスライヴ”

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毎回多彩なボーカリストが登場し、日本を代表する音楽プロデューサーが手がけたスペシャルアレンジで、豪華ミュージシャンと一夜限りのセッションを繰り広げる『Sound Inn “S”』(BS-TBS)。しかし新型コロナウイルスの影響で、スタジオ収録が不可能となり前回までは『Sound Inn“S”@HOME』として、ミュージシャンが自宅などで演奏する“リモートセッション”で収録し、<テレワーク演奏で名曲カバーをやってみた>という特別映像をBS-TBS公式YouTubeチャンネルで配信していた。第一弾は上白石萌音、第2弾は渡辺美里、そして第3弾では大原櫻子が登場し、注目を集めた。

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6月20日(土)放送回(18時30分~)では“特別編”として、スタジオで“ソーシャルディスタンスライヴ”を実施。石川さゆりが登場し、歌える喜び、演奏する喜びをミュージシャンと共に分かち合い、セッションを楽しんだ。

「ウイスキーが、お好きでしょ」は、原曲を手がけた斎藤ネコがリアレンジ

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「ウイスキーが、お好きでしょ」(1990年)は、多くのアーティストがカバーし、CMでもおなじみだ。この日はオリジナルのアレンジを手がけた斎藤ネコが、リアレンジ。今回は「品のあるゴージャスさ」と石川が言うように、豪華で美しいストリングスとギターが絡む、品を感じさせてくれるアレンジに、石川の歌が乗ると“贅沢な時間”が流れる。歌い出しのひと言目からグッと引き込まれる。艶やかで柔らかなその歌、表現力には今更ながらただただ感動するしかない。

名曲「津軽海峡・冬景色」を坂本昌之のアレンジで披露

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2曲目は石川の代表曲「津軽海峡・冬景色」を坂本昌之のアレンジで披露。1976年に発売されたこの作品は、阿久悠が紡いだ歌詞と三木たかしが作り上げたメロディから浮かんでくる、歌の心情やそこに描かれている風景を、石川が正確な描写で表現し、34年歌い続け、そして聴き継がれてきた。この日は、石川のライヴのバンドメンバーがバックを務めた。石川は「やっぱり生がいいですよね。こうやって集まって音が出せることに、音楽者としては限りなく幸せを感じます」と、メンバーと想いを共にし、セッション。生で歌える幸せをしみじみと語り、情感たっぷりに歌い、歌い慣れた楽曲に新しい息吹を吹き込んだ。

圧巻の表現力で、江戸端唄「さのさ」を粋に、艶やかに歌う

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石川は「ジャンルがあるといっても塀を建てる必要はない。色々な歌い手としてソウルフルなものを表現させていただけたら。自分でここまでって線引きしないでやりたい」と言っているように、今年2月に発売した、江戸の情緒や男と女の“艶”を感じる小唄、端唄、俗曲と新曲を収録したアルバム『粋~Iki~』では、KREVAのラップ、MIYAVIのギターとコラボすなど、ジャンルレスな歌が魅力だ。

様々なアレンジで石川さゆりが綴る "日本人の江戸の粋"が詰まったその『粋~Iki~』の中から、「さのさ」を披露。さのさは江戸時代、庶民の暮らしの中から生まれ、江戸市中で流行った小曲=端唄で、この日は三味線とピアノにウッドベースが加わるジャズ風のアレンジに乗せ、石川が遊び心と艶っぽさを感じさせてくれながら“粋”に歌う。短い曲の中で石川の歌に共通する、芝居のうまさを感じさせてくれ、まさに“石川さゆり劇場”。心地いい時間を作り出してくれる。

「みなさんの心が明るく元気になって、いい明日が来るんだって思ってほしい」と『明日はかならず』(大江千里 作)を披露

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4曲目は石川が細野晴臣、矢野顕子、レキシなど様々なアーティストとコラボしたアルバム『X-CrossIII-』(2017年)に収録されている、大江千里作詞・曲のナンバー「明日はかならず」を坂本昌之のアレンジで歌った。「コロナ禍の中で大変な思いをしている全ての人に向け、みなさんの心が明るく元気になって、今日よりももっといい明日が来るんだって思いながら聴いて欲しい」と、勇気を与えてくれるこの楽曲に希望を込め、力強く歌った。ニューヨーク在住の大江からもメッセ―ジが届き、この作品の制作秘話を語っている。

「ミュージシャンの皆さんと一緒に歌を歌える、音楽を作れることが幸せ」

石川は5月にYouTube公式チャンネルを開設し、バンドメンバーとリモートセッションし、配信しているが、やはりこの日の生セッションは格別だったようで「今日こうして素敵なミュージシャンの皆さんと一緒に歌を歌える、音楽を作れることがやっぱり幸せだなと思いました。実はこのスタジオは、先日お亡くなりになった服部克久先生と一緒に、アルバム『粋~Iki~』を作った場所です。服部先生も、音楽は止まらないよって応援してくださっていると思います」と、涙ぐみながら語っていた。

歌える喜び、そしてミュージシャン達の演奏できる喜び、その思いがそのまま“音楽”となって、まっすぐ伝わってくる素晴らしいセッションは必見だ。

BS-TBS『Sound Inn “S”』オフィシャルサイト