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ソニーミュージックのイチオシ新人が競演 昨年のKingGnu、milletに続く“逸材”を目撃

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ソニー・ミュージックレーベルズ

ソニー・ミュージックレーベルズ(SML)が、今年プッシュしていく新人をお披露目するコンベンション『Sony Music Labels 2020』が、2月6日Zepp DiverCityで行われ、選ばれし新鋭がパフォーマンスを披露した。

このコンベンションはメディア他の関係者を対象にしたもので、SMLの各レーベルからデビューを果たしたアーティスト、またデビューを控えているアーティスト1~2組が選ばれ、2015年から開催されている。2015年はBLUE ENCOUNT、Little Glee Monster、2016年は岡崎体育、さユり、Brian the Sun、2017年はthe peggies、FlowBack、2018年は緑黄色社会、ロザリーナ、sumika(ゲスト)、そして2019年はKing Gnu、milletらがこの舞台から大きな飛躍を遂げている。

Girls2
Girls2

この日も、今後の音楽シーンを賑わせるであろう、Girls2、ALI、崎山蒼志、リーガルリリー、神山羊、遥海、Seven Billion Dots、Rude-αという音楽性もスタイルも全く違う、バラエティに富んだアーティストが出演。トップバッターはGirls2(ガールズ・ガールズ)。全員がTVドラマ初主演と同時にガールズグループとしてデビューし、「miracle2」「magical2」「mirage2」という3組のグループから9人が集結し、結成された。「恋するカモ」からスタート。平均年齢15歳という若さとダンススキルの高さで、激しいフォーメーションダンスを披露(※Girs2の「2」は二乗の表記が正式)。

ALI
ALI

渋谷発の多国籍集団ALIは、コーラスやブラスセクションなどをフィーチャーした圧巻の音で、会場にグルーヴの波を起こす。テレビアニメ『BEASTARS』のオープニングテーマ「Wild Side」から4曲のスペシャルメドレーで、アグレッシヴかつクールな時間を作り、存在感をみせつけた。『HELMES19A/Wメンズキャンペーン』にも起用されるなど、ファッションシーンからも注目を集めている。

崎山蒼志
崎山蒼志

業界内外で注目を集める17歳のシンガー・ソングライター、崎山蒼志はアコースティックを手に登場。一曲目は「五月雨」。激しいストロークのギター、思春期特有の不安感を紡いだ強烈な歌詞がスクリーンに映し出され、それを一度聴くと耳に残る独特のビブラートと発音が織りなす、どこかメランコリックさを感じる歌声で伝える。その場にいた全ての人を、オンリーワンの世界へと引き込んでいた。2曲目はパーカッシブなギタープレイが印象な「undulation」。この才能、ますます楽しみだ。

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リーガルリリーは、シンプルな3ピース編成ながらその音は芳醇で、瑞々しさの中にもまるでベテラン?と思うほどの存在感を感じさせてくれるバンドアンサンブルだった。「好きでよかった。」は、太いビートに思いを乗せ、切々と歌うたかはしほのか(Vo/G)の突き抜けたボーカルが心に刺さる。代表曲「リッケンバッカー」は、無垢でオルタナ、ポップなメロディの向こう側に感じる少しの狂気、そんな彼女達の唯一無二の世界観を感じることができた。

神山羊
神山羊

すでに話題の存在である神山羊はドラム、ベース、キーボードという編成で登場。カラーバーの映像と同期したインストナンバー「TV Show (In the Bedroom)」からスタート。オレンジのコートを纏った着た神山が登場し、ファンからの支持の高い「YELLOW」、テレビアニメ『空挺ドラゴンズ』オープニングテーマに起用されているメジャーデビュー曲「群青」(3月4日発売)2曲を披露し、強烈な輝きを感じさせてくれた。

遥海
遥海

「X FACTOR 2018」に出場し、英ウェンブリー・アリーナのステージで、サイモン・コーウェルを始めとする審査員、観客を熱狂させた遥海は静かに登場すると、自身の歌声を多重録音したトラックに乗せ、ビヨンセの「LISTEN」を披露。その圧巻のボーカルに客席に感動が広がるのが伝わってきた。5月20日にメジャーデビューすることが決定し、そのデビュー曲となる「Pride」では、ピアノと女性コーラス隊とともに美しいハーモニーを聴かせてくれた。強くしなやかで、そして美しい彼女の歌声は、世界中に響き渡りそうだ。

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3ピースバンドSeven Billion Dotsは、NY帰りの帰国子女で、カリスマ性を感じさせてくれるMasafumiの伸びやかなボーカルと、双子のKen(G)、Lyo(Dr)が作り上げるスケール感のあるサウンドが相まって浮かび上がる、カラフルな中にも凛とした佇まいを感じさせてくれる世界観が魅力的だ。披露した「A Piece of The World」「Stay With Me」(『GRANBLUE FANTASY The Animation Season 2』OPテーマ)からは、「音楽を通して世界中の人々と繋がりたい」という彼らの溢れる熱い想いが伝わってくる。

Rude-α
Rude-α

この日トリを務めたのは沖縄出身の22歳のラッパー・Rude-α(ルードアルファ)。盟友DJ ISSEIと共にステージに登場すると「wonder」「It's only love」を披露。耳に残るジャンレスでボーダレスなサウンドに乗せ、聴く人に寄り添いながらも、強さを纏った言葉を心に届ける。昨年AbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』に出演し、SNSでも一躍注目を集める存在になり、「僕は武道館でライヴをすることを目標に活動してきたので、今年はその夢を実現できるように頑張っていきたいです」という本人の言葉通り、今年大きな飛躍が期待できそうだ。

ソニーミュージック オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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