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マルチに活躍する“カープ女子”、女優・高田夏帆がユニコーンのカバーで、CDデビュー

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/アリオラ・ジャパン

ドラマ初主演&CDデビュー

「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」(7月10日発売/初回盤)
「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」(7月10日発売/初回盤)

数々のドラマに出演し、「仮面ライダービルド」ではヒロイン・石動美空(みーたん)を演じ、『王様のブランチ』ではレポーター役を務めるなど、マルチに活躍する女優・高田夏帆の初主演ドラマ、RCCテレビ60年特別企画『恋より好きじゃ、ダメですか?』が、注目を集めている。“恋好き”は、広島カープ戦の野球中継が早く終わったときのみ、次の番組をつなげるための“リリーフ”ドラマとして放送されるため、放送日未定(1話15分、全12回)という珍しいドラマだ(RCC PLAY!でWEB上でも視聴可能)。さらに、このドラマの主題歌「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」(7月10日発売)でCDデビューを果たすなど、“初”が続き、気合が入る高田にドラマ、主題歌について話を聞いた。

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高田が演じる主人公の日向あかりは、子供の頃から熱狂的な広島カープファンで、広島カープが中心の生活を送る、恋愛は失敗ばかりの、元気で真っ直ぐな女性だ。高田は一か月間広島でひとり暮らしをし、どっぷり広島の空気に浸かりながら撮影に臨んだ。

「カープのことが本当に大好きになった」

「このお話をいただいた時は、それまで野球を観たこともなかったし、知識もないし、しかも主役で、どうしよう、できないと正直思いました。でも覚悟を決めて、カープのことを色々と調べて、色々な人に話を聞いて撮影に臨みました。カープの事が本当に大好きになったし、撮影が終わった今が、一番カープについて詳しいです(笑)」。

「東京の人間が、広島が舞台のドラマに出て、カープファンを演じることが、地元の方に受け入れてもらえるか、不安だった」

2週間で12話分撮影するという過酷なスケジュールをこなし、今は「広島が第二の故郷」というほど、すっかり広島に惚れ込み、“本物の”カープ女子になった。

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「マツダスタジアムで、野球観戦するシーンを撮影した時は、地元の人がエキストラとして参加してくださり、皆さんに応援歌や応援の仕方を丁寧に教えていただきました。本当に温かい方ばかりでした。広島カープファンの熱狂ぶり、オタク性を、コミカルに描いて、でもそこには愛しかなくて、私は広島生まれ広島育ちの役で、しかも役者は全員東京の人間だけど、大丈夫なのかなと、最初は不安でした。でも監督さんから「カープ愛、広島愛がたっぷり詰まっているから心配ないよ」と言っていただき、安心しました。方言も含めて、「え、全然違う」と思われてしまった時点で、ドラマの内容が入ってこないと思うので、必死でした。スタッフの方は9割広島の方だったので、方言も厳しくチェックしてくださって、取り組むことができました」。

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スタッフがお店のロケハンに行き、店員や常連客に色々とリサーチをして、そこで交わされていた会話を、そのままセリフに採用したり、リアリティにこだわった。

「スタッフさんが温かくて、アットホームな現場でした。いわゆるドラマ班が撮ってくださったのではなく、報道番組のスタッフ、バラエティ番組のスタッフの連合チームだったので、スタッフ、役者、全員が手探り状態で、本当にみんなで作り上げた感じです。だからこそ絆が生まれ、今でもスタッフさんと連絡を取り合っています」。

元ポルノグラフィティ・白玉雅己、カープ女子神3のバイオリニスト天野恵も参加した、カープ愛溢れるデビューシングル

左から白玉雅己(Tama)、高田、天野恵(7月9日HMV & BOOKS SHIBUYA)
左から白玉雅己(Tama)、高田、天野恵(7月9日HMV & BOOKS SHIBUYA)

演技と共に、チャレンジだったのが主題歌「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」だ。メンバーの多くが広島出身で、カープファンとしても知られるユニコーンの最新アルバム『UC100V』に収録されている曲「大航海2020」(作詞・曲EBI)のカバーだ。カープ女子神3のバイオリニスト・天野恵も参加している。カップリングは、カープファンのアンセム「それ行けカープ(若き鯉たち)」をカバー。アレンジは2曲とも広島出身の、元ポルノグラフィティの白玉雅己(Tama)だ。

「ユニコーンさんの曲をカバーできるなんて、もう恐れ多くて、ありがたすぎます」

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「もう恐れ多くて、ありがたすぎます。ユニコーンさんの音楽は、とにかく“味”があって、私に歌えるのだろうか不安でした。「大航海2020」は冒険心をそそられる、前向きにさせてくれる曲で、すごく難しかったですが、Tamaさんのディレクションで、とても気持ちよく歌わせていただきました。<高く帆を張って>という歌詞に、私の名前の一部が入っていて、ご縁を感じています。広島カープの応援歌「それ行けカープ(若き鯉たち)」もカバーしているのですが、Tamaさんは「広島出身として、この曲をアレンジできるのは光栄」っておしゃっていました。とにかく広島愛がたくさん詰まっているシングルなんです」。

7月9日HMV & BOOKS SHIBUYA
7月9日HMV & BOOKS SHIBUYA

高田はスタッフから誕生日プレゼントとして赤いエレキギターをプレゼントしてもらい、さらに音楽にのめりこんでいる。「それが、プレゼントではなく、ビジネスツールでした(笑)。弾きながら歌ってみなよって言われました(笑)」。発売記念フリーライヴを全国で行うが、もちろん広島でもお披露目する。そのため猛特訓している。

「仕事が生きがい」

「仕事が生きがいなんです。テレビで私を観ると『楽しい気持ちになる』と言われたことがあって、それまではただ自分が楽しいからやっているだけだったのに、“与えられている”仕事だって思うようになりました。特に何かに長けているというタイプではないからこそ、色々なことにチャレンジしたくなるのかもしれません。今は明るくて元気で一生懸命やっているコ、というイメージかもしれませんが、そうじゃない暗い部分とか、オンじゃないオフな部分も見せていきたい。闇の部分は日記に書いています(笑)。今回のデビュー曲もドラマも明るいイメージですが、全然違う私を見せたい。ステップアップにつながるなら、何にでも挑戦したいです」。

自分の可能性を信じて、常に<高く帆を張って>、高田夏帆は前に進んでいく。

高田夏帆 ソニーミュージックオフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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