1月14日に、内閣府が「中長期の経済財政に関する試算」(以下、中長期試算)の改訂版を、経済財政諮問会議で公表した。

この中長期試算では、高めの経済成長率を想定した成長実現ケースと、より低い経済成長率を想定したベースラインケースの2つの試算結果が示された。

今回の中長期試算(2022年1月試算)の最大の注目点は、2025年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)の黒字化がどれほど達成可能か、である。2021年秋の自民党総裁選以来、プライマリーバランスの黒字化目標については、存廃を含めて議論があった。

拙稿「今日閣議決定される『骨太方針2021』で、プライマリーバランス黒字化堅持が意味するもの」で触れたように、2021年6月に閣議決定された「骨太方針2021」では、現在2025年度と設定されているプライマリーバランス黒字化の目標年度を2021年度内に再確認する、と明記された。

そのため、今回の中長期試算では、目標年度を変える必要があるか否かが問われていた。

今回の中長期試算の結果、拙稿「保守的な経済前提の下でも2025年度の財政健全化目標はやはり達成可能:内閣府中長期試算改訂版の検証」にて詳述しているように、成長実現ケースで2026年度にプライマリーバランスが黒字になることから、プライマリーバランスの黒字化の目標年度は2025年度のまま変更しないことを、岸田文雄首相が表明した。

ただ、2022年1月試算でも、2025年度のプライマリーバランスは、成長実現ケースでは1.7兆円の赤字、ベースラインケースでは4.7兆円の赤字となる見通しで、2025年度にプライマリーバランスの黒字化が自明に達成されるわけではない。

他方、2022年1月試算が出る前の2021年12月に、この黒字化目標に関連して拙稿「2025年度のプライマリーバランス黒字化目標は達成可能:積算根拠を全公開」では、同じ内閣府の中長期試算の2021年7月試算を基に、保守的な経済前提であるベースラインケースの下でも、2021年度の税収の大幅増を受けて、2025年度のプライマリーバランス黒字化目標が達成可能であることを筆者が推計して示していた。

2021年度は、コロナ禍でありながら、消費税収と法人税収が好調なことから、国税収入は、バブル期よりも多く過去最高になる見込みとなっている。

2021年12月時点で、2021年度の税収の大幅増を踏まえた筆者の推計では、より低い経済成長率を想定しても、2025年度の黒字化目標は達成できるとしたが、2022年1月試算では、なぜ高めの経済成長率を想定した成長実現ケースでも2025年度におけるプライマリーバランスは赤字が残るという結果になったのか。

それを解くカギが、税収弾性値という専門用語である。

税収弾性値とは、経済成長率が1%上昇することにより税収が何%増えるかを示す度合いである。これが高いと、経済成長によって税収がより多く増える。わが国の経済学の先行研究では、税収弾性値は1.1程度であることが示されている。財務省の試算でも、1.1が用いられている。

それを、中長期試算の2022年1月試算とその前の回の2021年7月試算とを比較したのが、本稿冒頭のグラフである。これをみると、2025年度までにおいて、