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第31エンド「MD世界戦4日目、ベラルーシに痛い敗戦で通算2勝2敗。背水の陣でハンガリー戦へ」

竹田聡一郎スポーツライター
ドローウェイトが合ってきた阿部晋也。後半4エンドはかなりチャンスメークに貢献した

ミックスダブルス世界戦のグループリーグも4試合目を迎え、ここまで2勝1敗の日本は、1勝2敗のベラルーシと対戦した。

しかし、序盤から4点を失うと3エンド連続でスティールされる苦しい立ち上がり。小笠原が「(アイスが)滑って滑って。もっと大きくアジャストしないと行けなかったのに思い切れなかった」と悔やんだように、前半だけで8ダウンというビハインドで折り返す。

なんとか反撃の糸口を得たい日本は5エンドにパワープレーを選択すると、阿部のコーナーガードに隠すドローや、相手の黄色をバックガードに使うヒットロールを決め、複数得点のお膳立てをすると、フィニッシュは小笠原のランバックダブル。T奥であったが、しっかりシューターも残して4点を返した。

「(2月下旬の)チーム結成以来、初めてパワープレーを効果的に使えた」と阿部が振り返るように、残りの試合で自信を持って使えるカードが増えたのはポジティブな要素だ。

続く6エンドは逆に相手がパワープレーを宣言したが、しっかりとセンターガードを置いて対応し、最後は相手のミスにも助けられ1点をスティール。7エンドも中央にドローを沈め続け、1点を返した。

2ダウンで迎えた最終8エンドもハウス内に自軍の赤石を送り続け、持ち時間が2分を切ったベラルーシにミスも出たが、強いNo.1を作ることがどうしてもできず、ラストロックまでたどり着かずに握手を求める結果となった。やはり世界戦ともなると100%のショット率で石を投げ続けていても、それだけでは勝てない。5エンドで見せた阿部のヒットロールのように、100%プラスαのショットをエンドのどこかで決めないとチャンスは生まれない。

「ヒットは合っているのでドローが合えば大量得点も狙えると感じた。次の1試合に集中したい」(阿部)

「昨日までの安定感が欠けてしまった。1投目でセットして、フィニッシュする。まずは目の前のゲームに勝ちたい」(小笠原)

二人が語るように、今日(現地25日)は朝と夕方の2試合だ。

Aブロックのスタンディングは5戦全勝で早々とクオリファイ(決勝トーナメント進出)を決めたラトビア以外は大混戦だ。ハンガリーが5戦3勝2敗で2位、3位タイに4戦で2勝2敗のベラルーシ、フィンランド、エストニア、日本が並ぶ。

クオリファイのボーダーラインはおそらく5勝2敗だろう。残りカードを見ると4勝3敗では厳しいかもしれない。

日本は2位のハンガリー、3位タイのエストニアとフィンランドとの対戦を残している。直接のライバルであるため、もう星は落とせないが、逆に言えば3連勝をすれば自力でのクオリファイが決まると考えることもできる。

まずは間もなく、17:45(日本時間26日水曜日朝8:45)から始まるハンガリー戦に挑む。このゲームは世界カーリング機構HPでライブ中継があるので、日本の皆さまもぜひ応援してほしい。現地は雪が降ってきた。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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