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滋賀レイクス・湧川颯斗:ラベナからいろいろ学びながら将来の日本代表入りを目指す19歳

青木崇Basketball Writer
アグレッシブにゴールへ攻めることが湧川の強み (C)B.LEAGUE

「ディフェンスの部分では最近いい感じにはできているのかなと思いますし、ペイントアタックもこの2日間アグレッシブにいけたのかなと…」

 11月12日の新潟アルビレックスBB戦後、滋賀レイクスの湧川颯斗は自身のプレーを次のように振り返った。福岡大学附属大濠高校でのキャリアを終えた今年1月にプロの世界に飛び込んだ19歳の若者は、夏にハンガリーで行われたU19FIBAワールドカップでの経験を糧に、B2のシーズンで成長するためにハードワークの日々を過ごしている。

「(U19)ワールドカップに出させてもらって感じることもあったし、こっち(滋賀)に来てからは本当に今までできていたことがうまくできなかったりというところも本当に多くありました。でも、日々練習をしていくうちに、今までできなかったことができるようになっているというのは増えています」

 最もレベルアップしていると実感している点について聞いてみると、湧川は真っ先にディフェンスと口にした。

「完璧と言われることはないですけど、ディフェンスにおけるアジャストの仕方やピックの使い方といった部分は、成長していると実感してます」

 しかし、プロとしてのキャリアをスタートしたばかりということで、経験不足を露呈することもある。10月29日に行われたアルティーリ千葉とのゲーム2はその典型例だ。

 この試合で湧川は12点、4リバウンドと活躍していたが、5点リードした延長残り1分26秒でスティールした後のプレーで、時間を減らすことを優先する判断ができず、速攻から放ったレイアップをブロックされてしまう。

 その直後に千葉が3Pを決めたことで流れが変わり、滋賀は土壇場で追いつかれ後に迎えた再延長で力尽きて敗戦。ガードとしての状況判断という点で、湧川にとっては痛みが伴いながらも、貴重な学びとなった。

「タイマーを見ることなど、その試合が終わってからT(田原隆徳)さんに言われたのは、“常にベンチでいるときも自分だったらこういうことをする”ということ、コートに入ってなくても絶対考えるようにと言われました。そういう試合の流れを読んでいかないと、いざ自分が入ったときについていけないと言ってくださったことをきっかけに、(時計を見ることはすごく)意識しています」

 今季の湧川は、ベンチから出てきてキーファー・ラベナと一緒にプレーすることが多い。フィリピン代表としてワールドカップを経験したラベナは、オフェンスにおける判断やスキルという部分で、湧川にとってお手本となる兄貴のような存在だ。

「キーファーは駄目だったときにアドバイス、ミスするとすぐに指摘してくれます。自分でもわかっているミスを言ってくれたら、本当にみんなそう思っているんだろうなとわかりますし、自分が思ってなくてもキーファーから見たらそう見えるんだという確認ができるので、本当にありがたい存在です」

 滋賀を率いるダビー・ゴメスコーチは、湧川とラベナを一緒にプレーさせる理由を次のように説明する。

「パスのタイミングという部分で、颯斗とキーファーの間にいいコネクションができている。私からしてみれば、現時点で颯斗はパスに関してリーグ内でトップクラスの選手だ。彼に必要なのは(学ぶ)時間だ。一人でポイントガードをやらせることもあるが、キーファーと一緒にコートに出ることで、颯斗はより心地よくプレーできている」

 湧川はプロになってから筋力がアップし、体重も5kg増量することに成功。今季のチームにもたらしたいこととして、ディフェンスでのハードワーク、アグレッシブなペイントアタックを増やして得点することだという。

 19歳という年齢は世界的な視点で見れば、既にNBA、各国のトップリーグ、代表選手として活躍している選手たちがいる。U19で世界を体感した後にワールドカップで日本代表の活躍を見たことで、湧川は自分も同じ舞台に立ちたいという思いがより強くなった。

「金近(廉)さんは最終選考までメンバーとしていました。年齢は2個しか変わらないので、この年でも行けるというお手本を作ってくれました。(3歳上で誕生日が5月2日と同じ)河村勇輝さんもそうだったというところで、自分も来年再来年あたりで頑張って入りたい、本当に頑張らなければいけないと思わせてくれました」

 まだプレーの一貫性を欠くところがあるとはいえ、滋賀でゴメスコーチからの信頼度が少しずつ高まっている湧川。スタッツにも残るオールラウンドな活躍し、チームのB1昇格に貢献できるかが、日本代表という目標に一歩前進するためのカギになる。

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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