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【FIBAバスケットWC】オースティン・リーブス「このチームはメンバー全員にエゴがない」

青木崇Basketball Writer
練習前の囲み取材に応じたリーブス (C)Takashi Aoki

 昨季ロサンジェルス・レイカーズのカンファレンス・ファイナル進出に貢献するなど、この1年におけるオースティン・リーブスの飛躍は正にアメリカン・ドリームの体現。もちろん、目標に向かってハードワークを積み重ね続けた成果だったことに疑いの余地はない。ニュージーランドとの初戦ではスロースタートを切ったアメリカに活力をもたらし、勝利に貢献する活躍を見せたリーブスが、8月26日の練習前に囲み取材に応じてくれた。

Q レイカーズでスターターとしての役割が増え、新しい契約を結び、代表チームでも重要な役割を担うなど、あなたにとって奇跡のような年になったと思いますか?

「控えめに言って、自分にとっても家族にとってもとても素晴らしい1年だった。いいことがたくさんあったけど、これは当然のことだと思う。僕の人生はこうなるために頑張ってきたわけだし、決して近道なんかしなかった。ようやく、自分が打ち込んできたことのすべてが報われたような気がするんだ」

Q ドイツ戦で16点差をつけられましたし、昨日の試合もスロースタートでした。これまでに問題だと感じた瞬間はありましたか?

「そうだね、それはトップから始まる気がしている。スティーブ(カーヘッドコーチ)は、“我々の層の厚さが相手チームを消耗させる。我々がやっていることにこだわり続けるんだ”と何度も何度も説いていたんだ。このチームには、間違いなくNBAのチームでスターターとして活躍している選手が12人いる。コーチはこの試合は世界で最も美しいものにはならないと、何度も強調していた。でも、結局のところ、勝てばそんなことはどうでもよくなる。だから、パニックに陥ることなく、常にチャンスがあると感じられるようになったんだと思う」

Q エリック・スポールストラ(アシスタントコーチ:マイアミ・ヒートのヘッドコーチ)はこのチームにどんなインパクトをもたらしていますか?

「大きな影響力がある。もちろん、コーチングスタッフ全員がだれに対してもオープンであり、素晴らしい仕事をしていると思う。殿堂入りレベルのコーチが4人もいるんだ。一人のコーチが自分のやり方を通そうとしたり、通さなかったりするのではない。彼らはより大きな成果を出すために心を合わせている。チーム内にはエゴがないと前に言ったけど、コーチングスタッフを含めてメンバー全員にエゴがない。すべてはより大きな成果を出すためであり、それが勝利なんだ」

Q ヤニス(アデトクウンボ)がいないギリシャのチームと対戦するということで、あなたたちの心境に変化はありますか?

「ヤニスがコートにいると常に問題に直面するのは明らかであり、間違いなく今の彼はNBAで最高の選手だ。ヤニスと対戦するのはいつでも難しいが、だからといって彼を欠いているギリシャがいいチームではないというわけではない。今日の午後と明日にしっかり準備して戦いに臨まなければならない。ベストを尽くし、自分たちのやりたいプレーをするだけだ」

Q このワールドカップでは、ボールハンドリングを任される機会が増えています。それはレイカーズでも通用すると思いますか? もしそうなら、今大会に向けてどのような準備ができましたか?

「とてもいい準備ができている。バスケットボールの違った側面や、よりフィジカルな部分などを知ることができる。正直なところ、ボールハンドリングだけではなく、どんな役割でも求められることをやるだけだ。何度も言ったように、僕にとって大事なのは勝つこと。だから、チームが成功するためにコーチングスタッフが僕に求めていることなら、何でもやるつもりだ」

Q FIBAとNBAの試合には多くの違いがあります。あなたから見て、FIBAの試合で最も気に入っているところは何ですか?

「全チームのプレーの仕方だと思う。バスケットボールの純粋さがあると思う。アメリカでは1対1という個のバスケットボールが多い。FIBAのバスケットボールはチーム・バスケットボールであり、美しいゲームだと思う。ルールに違いがあるけど、それは私たちに有利に働くこともある。ビッグマンたちはペイント内から離れる必要がない。ジャレン(ジャクソン・ジュニア)は(ディフェンスの3秒ルールがあるNBAと違って)ペイント内に立ち続けることができるし、リム周りで効果的にプレーし、相手のショットをブロックできる。それが僕たちのゲームにおける最も美しいところと言えるし、それが本来のプレーということになる」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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