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【Bリーグアジア特別枠選手に直撃】「自分の経験を活かし、若いチームの助けになりたい」マシュー・ライト

青木崇Basketball Writer
京都に欠かせない得点源になっているライト (C)B.LEAGUE

 Bリーグへの順応に少し時間がかかったものの、11月20日のレバンガ北海道戦で24点、26日の宇都宮ブレックス戦も21点を記録。京都のオフェンスに欠かせない選手としての存在感を増しているライトに、宇都宮との初戦後に話を聞いた。

Q 宇都宮ブレックスとの1戦目を戦ってみての印象は?

「ディフェンディング・チャンピオンが相手だから、タフなゲームになることは分かっていました。彼らは非常によくコーチングされたベテランのチームです。意図を持ってプレーしているし、非常にフィジカルで、ひとつひとつのポゼッションを大切にしています。だから、どんなミスにも乗じてくるし、今日もそうでした。そして、宇都宮はサイズとフィジカルの強さを私たちに対して使ってきたことが、今日の試合を決める要因になりました」

Q Bリーグ全般の印象は?

「素晴らしいですし、とても気に入っています。すごく競い合っていますし、ファンも素晴らしい。勝っても負けてもサポートしてくれますし、正にプロフェッショナルなリーグです。きちんと運営され、組織化されていて、これからもっと向上していくでしょうし、私もその一員になれることにワクワクしています」

Q 先週のレバンガ北海道戦で大活躍し、今日もいいプレーをしていました。最近好調が続いている理由はなぜだと思いますか?

「よくわからないんです。恐らく、ようやく自分のリズムを取り戻したのだと思います。シーズン当初小さな故障を抱えていたので、100%な状態ではありませんでした。特にFIBA(ワールドカップ予選開催による)ブレイクの後に3週間試合がありませんでしたので、その間に自分自身が期待しているレベルのプレーができるコンディションまで上げられました。そして、Bリーグのスピードやレフェリーのコール、強いインテンシティにも慣れてきました。コーチはいい仕事をしています。というのは、成果を出せる明確なポジションを与えてくれたからです」

Q 自身のプレーで最大の強みは何でしょうか?

「得点する能力です。スリーポイント、いろいなパターンからのジャンプショット、リングへアタックもできます。オフェンスを得意とする選手だと思いますし、ディフェンスではプレッシャーをかけ、ピック&ロールからもプレーしますし、パスをもできます。また、バスケットボールIQについてもプライドを持っています。世界中でプレーしてきた経験や知識を活かせる賢い選手として、若い選手たちのレベルアップを手助けすることができるでしょう」

Q PBAとBリーグの間で感じる違い、何かありますか?

「Bリーグは40分で、PBAの48分より試合時間が短いです。Bリーグはより激しいですし、フルコートで(ディフェンスが)ピックアップしてきますし、スピードも違います。外国籍選手は1人しかいないのに対し、Bリーグは(帰化選手とアジア特別枠を含めて)3人です。タレントのレベルはBリーグのほうが高く、コーチングもこちらの方が進んでいますし、スカウティングも非常に徹底していますので、より大きなチャレンジになります。そういった違いはありますね」

Q カナダのトロントで育ったこともあり、ロイ・ラナコーチとのつながりがあったと思いますが、それについて教えてくださいますか?

「彼は私が高校生の時にトロントにある高校のコーチをしていて、当時で恐らく最高のチームで指揮をしていました。私は彼のことをとてもよく知っていましたし、とても成功していました。彼がもたらす競争力、チャンピオンシップの血統は、高校のチームだけでなく、若いカナダ代表を(2017年のU19ワールドカップで)チャンピオンシップに導いたことでも明らか。彼は勝つ術を知っています。そういった成功に私は関わりたいし、勝利のカルチャーを持つチームの一員になりたいのです。昨季不振だった京都で指揮し始めた彼は、チームのカルチャーを変えました。それは彼のコーチングから始まっているのです」

Q 京都での生活で気に入っていることは?

「食べ物がおいしいことです。これまでいろいろな都市に行きましたが、京都は私のスピードに合っていますし、完璧にミックスされています。東京や名古屋、大阪ほど派手さはないけれど、十分な大きさの都市です。京都には豊かな文化や歴史が残っています。私は歴史オタクなので、お寺や神社が何千年も前に建てられたものだという話を聞くのが大好き。文化はとても興味深いです。最近よく行くのは焼き鳥屋です」

Q 好きな食べ物は?

「鶏の砂肝やレバー、ハツなどが好きです。お寿司も新鮮だし、餃子も好きです。不味いものは食べたことがないですよ」

Q 残りのシーズンでこのチームに何をもたらしたいと思っていますか?

「最年長であることにまったく慣れていないのですが、(京都は)それだけ若いチーム。海外でプレーしてきたことや、さまざまなレベルのバスケットボールを経験してきたことを生かし、若い選手たちを助けることです。厳しい姿勢で練習に臨むことが、彼らにとっては試合に向けたいい準備になります。試合では冷静かつ落ち着いた態度で臨ませたいと思っています。というのは、プレッシャーがかかってくると、いろいろなことが起こるからです。そういった経験は若いチームの助けになります。私が京都にいるということは、そういった意味があると思っています」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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