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【Bリーグアジア特別枠選手に直撃】「滋賀は大きな家族。私の人生を変えてくれた」キーファー・ラベナ

青木崇Basketball Writer
CS進出という目標達成に向け全力でプレーし続けるラベナ (C)B.LEAGUE

 フィリピンでは“Phenom(天才)”というニックネームで知られるキーファー・ラベナだが、コート上でのプレーを見ていると、目の前のポゼッションを全力で戦い抜く姿勢が一貫している。チームメイトとのコミュニケーションを欠かさない滋賀レイクスのリーダーは、ルイス・ギルコーチからの信頼も厚い。

 群馬クレインサンダーズ相手に2連敗を喫してしまったものの、ラベナは1戦目が12点、8アシスト、2戦目が11点、6アシストと奮闘。新しいチームメイトとなったテーブス海や3人の外国籍選手たちとケミストリーをしっかり構築できれば、滋賀は今季のB1でダークホースになるかもしれない。群馬と2連戦後、ラベナに聞いた内容をここで紹介しよう。(取材協力:滋賀レイクス)

Q 群馬クレインサンダーズと対戦した開幕2ゲームを戦ってみての印象は?

「シーズン最初の2試合は非常にタフだったけど、これを次に活かしていかなければならない。長いシーズンだし、我々はいい部分をたくさん確かめられた。自分たちが得意とすることを一貫して行い、チームが一体となってプレーすることが必要だ。経験と若さが混在するチームなので、それを毎日活かしていかなければならない」

Q (ディフェンスから猛追撃した)2Qはポジティブな要素の一つだったのでは?

「そうだね。もしセカンド・グループの活躍がなかったら、群馬にとって楽な試合になっていたかもしれない。後半、4Qの半ばで離されてしまったけど、2Qでセカンド・グループは本当によくやってくれた」

Q この2試合はベンチからの登場になりましたが、昨季と役割で何か違いはありますか?

「ベンチから出たしても、スターターだとしても、自分の役割が何であれ、プロとして常に準備を整えておかなければならない。ベストを尽くし、良きリーダーとなり、手本を見せて、他の選手が後に続くように、毎回全力でプレーすることを心がけている。この2試合から改善し、次はもっと良くなることを願っている」

Q 滋賀は昨季よりとまったく違うチームになりました。新しい外国籍選手のイヴァン・ブバ、ジェイコブ・ワイリー、ケルヴィン・マーティンの印象や期待することは?

「彼らは素晴らしい人たちであり、素晴らしい選手たちでもある。本当にうまくいって、それぞれの選手とのケミストリーを構築して相性が良くなるには、何試合かこなしていかなければならないけど、すべてがうまくいくはずだと信じている。前向きに考えている。お互いを信じ、僕らのバスケットボール哲学を信じることだ」

Q ルイス・ギルコーチがラベナ選手に求める最大のチャレンジとは?

「昨年もそうだったけど、コートにいるときはトップレベルで一貫してプレーすること、毎試合、毎プレー、毎秒全力でプレーすることが、常に私に言われている一つのチャレンジだと思う。ベストを尽くし、より安定したプレーができるよう努力している」

Q フィリピン代表としてFIBAアジアカップで日本代表のテーブス海と対戦しましたが、滋賀ではチームメイトになりました。彼と一緒にプレーすることで、どんなことが期待できるでしょうか?

「海はとてもいい選手であり、多くの可能性を秘めている。彼はルイス(ギル)コーチ、チームの他のベテラン選手たちから多くのことを学ぶはず。私からも幾つか学んでくれたらと思う。滋賀のブースターたちは、海がゲームを遂行する中でエキサイティングなシーンや好プレーを数多く期待していいだろう。チームのだれもが(勝利に)貢献したいと思っているのは、さっき話したとおりだ」

Q 滋賀のメンバーで良かったと感じるところは?

「ブースターも、チームも、組織も、フロントオフィスも、みんな一つの大きな家族なんだ。昨年、私にオファーをくれたのはこのチームだけで、それが私の人生を変えることになった。“ここでプレーしたい”、“もっといい機会に恵まれたい”と、自分のキャリアについて、まったく違う視点で考えるようになったんだ。だから、僕を獲得してくれた滋賀には本当に感謝してるし、できればもっと長くプレーしたいと思っている」

Q 人生を変えたということでは、あなたは弟のサーディのキャリアに大きな影響をもたらしたと思います。逆にサーディから刺激を受けることもありますか?

「彼は我々フィリピン人選手のために、日本での門戸を開いてくれた。彼が初めて日本にやってきて、いいプレーをしてくれたおかげで、私たちフィリピン人プレーヤーの門戸が開かれたんだ。私がここに来るきっかけとなったものがあるとすれば、それはサーディの存在です。私はいつも彼にそう言っています。なぜなら、私たちがキャリアにおいてより良い機会を得ることができたのは、本当にサーディのおかげなんだ」

Q ホーム開幕戦となる新潟アルビレックスBB戦に向けての意気込みをお願いします。

「土曜日も日曜日も勝利を手にできるのを望んでいる。チームが一体となってプレーすることで、みんなを喜ばせることができればいいなと思う。そして、皆さんの応援には本当に感謝している」

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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