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皇治vs.芦澤竜誠のルールはどうなる? MMAでの対峙はあるのか? 4・1『RIZIN.41』──。

近藤隆夫スポーツジャーナリスト
4・1大阪『RIZIN.41』で芦澤竜誠と対戦する皇治(写真:RIZIN FF)

怒涛の「RIZIN」3大会

日本の総合格闘技界をリードする「RIZIN」の2023年シリーズが、いよいよ動き出した。先日、都内で開かれた記者会見において開幕から3大会の日時と場所が明らかになったので、まずはお伝えしよう。

『RIZIN.41』(4月1日、丸善インテックアリーナ大阪)

『RIZIN LANDMARK 5』(4月30日、東京・代々木第1体育館)

『RIZIN.42』(5月6日、東京・有明アリーナ)

昨年に比べると開幕が遅いが、その分、春に攻勢をかける。36日間に怒涛の3大会だ。

昨年大晦日のリングで、正式決定と伝えられたカードが3つある。

朝倉未来(トライフォース赤坂)vs.牛久絢太郎(K-Clann)

平本蓮(ルーファスポーツ)vs.斎藤裕(パラエストラ小岩)

皇治(TEAM ONE)vs.芦澤竜誠(DRAGON FISH)

記者会見では、『RIZIN.41』の一部カードが発表されたが、そこに皇治vs.芦澤が含まれた。

となると、朝倉vs.牛久、平本vs.斎藤は、代々木、有明に振り分けられるのかと思いきや、そうではないのかもしれない。

RIZIN榊原信行CEOは言った。

「4月30日、5月6日に組むことは決定しているが、どちらかの大会に(2カードを)まとめた方がいいかなとも思っています。調整中なので、もう少し時間をください」

もし同じイベントで組まれるのであれば、おそらくはケージが使用される「4・30代々木第1」だろう。会場の収容人数が多い上、平本がケージでの闘いを望んでいる。正式発表を待ちたい。

「あいつは弱い、すぐに倒れる」

さて『RIZIN.41』での皇治vs.芦澤だが、対戦は決まっているもののルールは未定だ。

当初、キックボクシングルールで行われると思われていたが、芦澤がMMA(総合格闘技)ルールでの闘いを求めているようである。

思い出すのは大晦日のリング。

『なまず音頭』をフルコーラス唄いながら登場し、RIZIN参戦を表明した際に芦澤は対峙した皇治に迫った。

「何のルールでやるんだよ。いま、ここで決めようぜ」

彼は、MMAルールでの闘いを受託させたかったのだろう。

だが、皇治は答えなかった。

『ナマズ音頭』を熱唱しながら大晦日のリングに登場しRIZIN参戦を表明した芦澤竜誠(写真:RIZIN FF)
『ナマズ音頭』を熱唱しながら大晦日のリングに登場しRIZIN参戦を表明した芦澤竜誠(写真:RIZIN FF)

大晦日、RIZINのリングで皇治と芦澤は乱闘を繰り広げた(写真:RIZIN FF)
大晦日、RIZINのリングで皇治と芦澤は乱闘を繰り広げた(写真:RIZIN FF)

その後、芦澤はYouTubeの自らのチャンネルで、こうも話している。

「俺と皇治が『RIZIN』のリングでキックボクシングの試合をしても皆、観たくないだろう。MMAでやろう。『RIZIN』はMMAの舞台だから、それが筋」

これに対して、記者会見に出席した皇治は言った。

「ストーカーみたいにつきまとい喧嘩を売ってきて、ルールを自分に合わせろって、あいつカッコ悪いでしょ。キックボクシングルール、(契約体重)62キロでやったらええ。大体、素人同士が『RIZIN』でMMAをやるのは失礼」

さらに、こう続けた。

「俺はマルコメ(フロイド・メイウェザー)とやりたい。興味ないんですよ、あいつ(芦澤)には。でも、盛り上がるならと思って受けたけど、あいつ弱いんですよ。すぐ倒れるし。キックボクシングルールでもパンチだけで簡単に倒せます」

2月1日に都内で開かれた記者会見で「あいつ(芦澤竜誠)には興味ないんですよ」と話す皇治(写真:RIZIN FF)
2月1日に都内で開かれた記者会見で「あいつ(芦澤竜誠)には興味ないんですよ」と話す皇治(写真:RIZIN FF)

両者のキックボクシング戦績を見てみよう。

皇治、31勝(10KO)17敗4分け。

芦澤竜誠、24勝(15KO)13敗1分け。

ともに負け数が二桁あり勝率は6割台、K-1でもタイトルを獲得できなかった。

両者のキックボクシングファイトをRIZINのリングで観たいとは思わない。それなら、MMAファイトの方が意外性があって面白いかもしれないと私は思う。

しかし、皇治は受け入れるつもりはないようだ。

ならば、RIZIN実績上位者が主張するルールを芦澤が受け入れるしかない。おそらくこの試合は、キックボクシングルールで行われよう。そして、MMAファイター転向を決意している芦澤の、キックボクシング・ラストファイトとなる可能性が高い。

<発表された『RIZIN.41』の主な対戦カード>

追加対戦カードは後日発表される。全十数試合になる予定(提供:RIZIN FF)
追加対戦カードは後日発表される。全十数試合になる予定(提供:RIZIN FF)

スポーツジャーナリスト

1967年1月26日生まれ、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から『週刊ゴング』誌の記者となり、その後『ゴング格闘技』編集長を務める。タイ、インドなどアジア諸国を放浪、米国生活を経てスポーツジャーナリストとして独立。プロスポーツから学校体育の現場まで幅広く取材・執筆活動を展開、テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍している。『グレイシー一族の真実』(文藝春秋)、『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)、『情熱のサイドスロー~小林繁物語~』(竹書房)、『伝説のオリンピックランナー”いだてん”金栗四三』、『柔道の父、体育の父  嘉納治五郎』(ともに汐文社)ほか著書多数。

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