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<ガンバ大阪>ルヴァンカップ準決勝、第1戦は2-1で勝利し、第2戦につなげる。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ルヴァンカップ準決勝第1戦。直近のJ1リーグと同じカードとなるホームでのコンサドーレ札幌戦は後半に試合が動き、宇佐美貴史がPKで先制ゴールを奪う。その後、試合終盤に同点に追いつかれるも、4分のアディショナルタイムにラストプレーをMF倉田秋がゴールにおさめ2−1で勝利。アウェイでの第2戦につなげた。試合後のガンバ監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

ー終盤の失点でドローに終わることも考えられましたが、アディショナルタイムでの勝利の意味を含めて試合の感想を聞かせてください。

アウェイゴールを与えたくなかったのでその点では残念に思いますが、選手があのあと、ああいう時間帯にやられてもしっかり勝ち越しを狙って、相手に迫った姿勢というのは評価できると思います。実際にそれを形にするのは簡単ではないと思うので、ホームのサポーターがいるあのゴールというのは、こういう時間帯にゴールが生まれると思いますし、この1点が決勝につながるようなものにしたいと思います。

ーPKのシーン。キッカーですが、直近のJ1リーグで外したアデミウソンではなく、宇佐美選手が蹴りました。あれは監督の指示ですか?

いえ、僕の指示ではないです。彼らの中でそれを決めています。選手同士で決めています。

●FW宇佐美貴史

(劇的な勝ち方でした。1戦目をしっかり結果を出せたことについて)だいぶ相手もやり方を変えてきましたし、当然、リーグ戦で5−0だったのでそれはやってくるだろうなと思っていました。それに対して自分たちもやりづらくなったというか、ノッキングするシーンが多かったりなかなか後ろから前に攻撃がつながらなかったり、っていうシーンが多かったので、正直やっていて難しかったですね。(PKは宇佐美選手が自分でいこうと?)いやまあ、周りを見ても蹴りたそうな選手もいなかったし、僕が蹴らなくても良かったんですけどアデ(アデミウソン)が外していたし、僕自身も、PKはACLでも外してここで2回外していたので、そのへんから…PKは生涯で蹴ることはないと思っていたので(苦笑)ここで克服しておこうかなと思いました。(克服できましたか?)入ったのでそれは良かったです。意外と落ち着いていました。でも、不思議と外したらどうしよう、っていう感じはなかったし、しっかり蹴れば入る自信はあったので、緊張はしましたけど。(この間とはGKも変わっていて、菅野選手のリーチとかそういったことを考慮して蹴るというよりは自分のキックに集中したのでしょうか)そうですね。決めた方向に蹴るというのは最初から決めていたので…あっちにはっきりと先に動かれたらそれはしなかったとは思いますけど…そういう意味では自信を持ってあそこに蹴れました。

●GK東口順昭

全部の試合をゼロではいけるわけではないし、相手もすごく攻撃力のあるチームなので1失点はポジティブに考えたいと思います。引き分けで終わらずに最後、取れたことも大きいですし。次に向けたアドバンテージだと思いますし、チームが良くなっていく上では必要な勝ちだったと思います。(相手もやり方を変えてきた中でどのあたりを気をつけて試合を進めていこうとしたのでしょうか)リーグ戦のように、ポポンと点が入るわけじゃないと思っていたので、慎重に、しっかり入るということと、チャンスをうかがいながらも失点しないという部分では前半ゼロで終えられたので、後半もいい時間帯で点を取れたし、戦い方としては決して悪くない展開だったと思います。(自分たちが攻撃にかかる時は、DFラインが4枚のような形になり、そこのビルドアップに東口選手も関わっていくと。そこはいま狙いを持ってやれているのかなと)そうですね。そこに僕が入ると相手のプレッシャーもかけづらくなるのでそこは意識してやっていました。(今日はヨングォン選手が代表戦で不在の中、菅沼選手がDFラインの一角を担いました)そうですね。そこにそのまま駿哉(菅沼)が入りましたけど、彼もちゃんと狙いを理解して僕が思っていることをそのままやってくれる選手なので、いいコミュニケーションをとりながらやれていたのでやりやすかったです。(1戦目を踏まえて2戦目の狙いは?)あまり難しく考えずにシンプルに今の流れを続けて勝ちに行くということでいいのかなと思っています。

●MF矢島慎也

内容はあまり良くなかったし、失点してしまいましたが勝てたことは良かったです。あと相手がやり方を変えてきて、それに気づいてはいるんですけど、それを口で伝えてチームを動かすってことがまだちゃんとできなかったので、それを2戦目ではしっかりやって、勝ちたいです。(最後のゴールシーンも矢島選手からでした)そうですね。パトを狙ったんですけど、いいところにボールを入れられました。あの時くらいですね、前でボールを持てたのは。ずっと疲れていたので、それをどう外してボールを受けるかみたいな。結構疲れるのは初めての経験じゃないですけど、そこはまたいろいろみんなで話してやっていきたいです。(アンカーとして守備でも意識が高かった)今日は失点するとレギュレーション的に厳しくなるので、いい守備をしようということは監督も言っていましたし、それでも1点セットプレーでとられたので…で、僕の前のところで触られたのでそこはしっかりまた映像を見て対応しないといけないところだと思います。いいボールは入ってくるし、相手が少しやり方を変えてくる中で自分たちもそれに対応して上回らないといけないので、またアウェイで難しい試合になると思いますが勝って抜けられたらベストだと思います。

●DF菅沼駿哉

もう少しモチベーション高く、気持ちの入れたプレーをみせるべきだったと思います。(自分としては物足りないと?)そうですね。昨日ちょっと練習のやり方でうまくいかないところがあって、そこを今日は整理しながら入ったんですけど、その中でもう少しモチベーション高く自分がやるべきことをやらなきゃいけなかったと思います。(アディショナルタイムにゴールを決めて勝利で終われたことは2戦目に繋がるのでは?)ああやって最後、秋くん(倉田秋)が点を決めてくれて、流れがまたガンバにきていると思うので、しっかりとそれを続けて札幌戦、そしてリーグ戦とつなげていきたいし、残留という目標に向けてしっかりやっていきたい。(試合前に倉田選手と話していたことは?)秋くんに、メンタルを強く持てよ、ということは言われていて、ああいう先輩がいることで僕自身も頑張ろうと思いましたし、戻りたくて戻ってきた場所なので、自分が試合に出た時はしっかり自分を示して結果を残すということを考えていました。(前につけるパスなども結構意識していましたね)僕は今日はちょっとバックパスが多かったと思うので、もっと自分で剥がせるところは剥がしていかないと、前の選手に向かってゴールキックから蹴っているだけでは難しいなっていうのは貴史(宇佐美貴史)のプレーを見ていてもわかるので、もう少し僕のところで改善すべきかなと感じました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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