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<ガンバ大阪>ルヴァンカップ準々決勝・第1戦はFC東京に1−0で完封勝利。アウェイ戦に繋げる。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

雷の影響で30分遅れでスタートしたルヴァンカップ準々決勝第1戦。その影響もあってか立ち上がりはやや重いスタートになったものの、徐々にギアを上げたガンバは39分にMF小野瀬康介のパスを受けたMF倉田秋が先制ゴールを決めてリードを奪う。後半も攻守にバランス良く試合を運ぶ中で、51分にはMF高江麗央のゴールが、この一戦より導入されたVAR判定でノーゴールに。追加点こそ奪えなかったものの、その後も失点を許すことなく1−0で完封勝利を飾り、第2戦に繋げた。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

ーVARが今日の試合に導入されましたが、監督としてはどういう感想をお持ちですか?

端的に良かったと思います。みんながクリアにできるというところ。もちろん、今日の試合に関してはカメラがしっかりとゴール横には設置できていないと事前に聞いていた中で、そういった意味では斜めの画像だったりはしましたが、しっかりとそれに対して主審が判断を下したと。みんなが納得というか、モヤモヤするものが残らないなとは思いました。ああいった中断の時間に関しては我々も、お客さんも含めて慣れていくんじゃないかと思います。

ー久しぶりにスタートから4バックでいきました。意図と試合を終えた手応えを教えてください。

手応えというか、全員がしっかりとフォーメーションが少し変わった中で、特に守備のところでコミュニケーションをとって、どういうタイミングで行くのか、どういうスライドが必要なのか、っていう声がしっかりとピッチから聞こえていたので、それは良かったと思います。攻撃に関しては、今までやってきたシステムよりも少し近い距離でパス交換ができるという利点もありますし、選手の特徴を考えた時に4枚でいこうというふうに考えました。それは本来、我々のチームというのは、ボールを持って、より優位に進めるのがスタイルだと思いますし、そう言ったところをもう一度取り戻すというようなきっかけにしたいと思ってそのシステムにしました。

ー選手の特徴という言葉がありましたが、ダブルボランチにしたことで、井手口選手のダイナミックさが出ましたが、井手口選手の活かし方も4バックが関連していたのか。あと本職じゃないですが、鈴木選手の左サイドバックは今後に繋がる手応えもあったのかなと思いますが。

陽介(井手口陽介)については、その通りです。アンカーでトライしたり、右サイドハーフでトライしましたが、少し彼自身の特徴を活かしきれないシーンが見られたので、二人でやることによってより、今日見せたようなパフォーマンスにつながればなという考えはありました。雄斗(鈴木雄斗)も本当に色々なポジションをできるユーティリティさが持ち味で、我々の助けになっていますし、今日も尻上がりに持ち味のフィジカルの強さや高さが出たと考えています。いいパフォーマンスだったと思います。

●MF高江麗央

(システムを4−2−3−1で戦ってチームとしての機動力は出たのかなと思いますが)もともとやっていたシステムで、やりやすさもあったし、自分はいつもとポジションが違ったんですが、その中でもしっかり自分の役割、監督から求められていることをしっかり理解してプレーしようと思っていました。うまくいったところ、いかないところがありましたけど、うまくいかなかったところはしっかり改善して次に臨みたいと思います。(トップ下に入ったのもありますが、ゴールを狙う意識も高かったですね)それはあのポジションだからというか、自分にも数字、結果を求めていかなきゃいけないと思っていたし、そこは意識してやりました。(後半、1、2本と立て続けにチャンスがきて、そのあと3本目はパスを選択した。入らなかったマインドがそうさせたのか、より確率の高い選択肢ということですか?)後者の感覚でしたけど、終わってから打っても良かったというのは少し思いました。そこはまたしっかり次に繋げて、その時々の判断をしていきたいと思います。あそこのポジションではゴールを取らないと生き残っていけないと思うので、なおさらそう思います。(今日はゴールが取り消しになりましたが、来年からJリーグもVARを入れようという話が出ています。実際に体験して導入されるということについてはどう思いますか?)個人的には…今日みたいなこともあるので嬉しくはないかな。でも、これから逆にVARに助けられることもあるだろうし、それは僕たちが決めることではないから、Jリーグの判断で導入されるとなれば、それに従ってしっかりやるだけです。

●MF井手口陽介

(チームとして4−2−3−1という形をとって機能したと思いますが、これまでの形に比べた機能性はどう感じましたか?)フォーメーションもそうですけど、試合前から自分たちでボールを奪いにいって、取られても切り替えてやっていこうと話していたし、そういうところで、相手の出方を見ずに、自分たちから仕掛けられたのはすごく大きかったんじゃないかなと思います。(井手口選手が戻って来てなかなか勝ちがなかった中で、今日はまだ第1戦ではありますが、久しぶりに勝利を掴めたのは気持ち的にもホッとしたところもありますか?)勝てたのは良かったですけどまたすぐ、難しいアウェイ戦になるので、しっかり切り替えてやっていきたいと思います。(次に向けてこのシステムでもう少し、と思うところはどこですか?)守備なら、今日の大森晃太郎選手と、三田啓貴選手のところに、ちょこちょこ間で使われていたりもしたので、そういうところは、康介くん(小野瀬康介)、弦太くん(三浦弦太)含めてもっとコミュニケーションをとっていかないといけないと思ったし、攻撃の部分ではもっと余裕をもって崩したり、雑い簡単な感じではなくというか…一度戻してから崩しにいった方がいい場面でも簡単にクロスをあげてしまったり、ドリブルをしてしまったりと、判断のところのすり合わせができていないところがあったので、もっとお互いの連携の質をあげれば崩せたんじゃないかと思うので、そこは改善していきたいです。(VARが導入されましたが、ガンバにはアンラッキーな形で働きましたが、ああやって試合が止まった状態での時間の使い方とか感じたところは?)ん〜特にないです。そんなに違和感なく進められました。それよりも雷でスタートが30分遅れた方が嫌でしたね。少しそれでまったりしてしまったから。

●MF倉田秋

フォーメーションが変わった中でどうなるかなって感じもありましたけど、今日はフォーメーションに関係なく、しっかりアグレッシブに攻守にわたって戦えたし、これがサッカーだという感じはしたので、それは良かったです。(VARの取り消しの後は、個人的に精神的なダメージとかありましたか?)意外と僕はあまり何も感じなかったです。入っていたらいいな、くらいの感じでした。(実際中でやっている選手はVARで判定が覆ったりとか…どういう影響がありましたか?)でもはっきりビデオを見て正確なジャッジなのであれば…今回はこちらがいい方向には働かなかったけど、僕はすっきりしていいかなと思いました。(次に向けて)ここ最近はいい試合をしたあとに、あまり良くないということが多いので、自分たちの実力にしていくためにしっかりまた次に繋げていかないといけないと思います。

●DF菅沼駿哉

ゼロで抑えられたのは良かったと思います。今週は4バックでずっと試していて、首位のチーム相手にどこまでやれるかが鍵だったので、そこでゼロに抑えられたので、チームとしていい方向にいけばなと思います。(DFラインの前、中盤のダブルボランチも安定をみせたことで攻守の安定が生まれたようにも感じました)そうですね。陽介(井手口陽介)の良さも出ましたし、途中から出た貴史(宇佐美貴史)も良さを出してくれたので、こうやって貴史とか陽介の良さをもっともっとチームが出してあげないと…あいつらならもっとできると思うので。今日はガンバの強みというのが出ましたが、ここからかなと思います。(VARでの判定があって、あそこで一旦ゲームが止まりましたが、その辺はどう思いましたか?)今日は1−0でしっかり勝ちきりたいというのがあったので、結果が出せたことが何よりだったと思っています。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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